ミュオン科学研究系活動報告2024(11月)

2024年 11月 15日

◤ 研究会報告

国際ワークショップ「FUture on Muon Elemental analysis (FUME)」の開催

 負ミュオンによる元素分析の世界的な活況を更に盛り上げるため、主要なミュオン施設(JPARC, ISIS, PSI, TRIUMF, CSNS, MuSIC)の担当者やユーザーなどが集まり情報共有を行うことを目的に、国際ワークショップ「FUture on Muon Elemental analysis (FUME)」が10/19-21 東海キャンパス1号館において、J-PARC シンポジウムのサテライトワークショップとして開催されました。負ミュオンが原子に捕獲された際に放出されるミュオン特性X線は通常の原子の特性X 線の200 倍のエネルギーを持ち、ミュオンビームの調整による分析位置の選択と200 倍のエネルギーのX 線が持つ高い透過能により、物質内部の元素分析が可能です。既に国内外で文化財や工学機器など様々な対象物の非破壊元素分析に適用され、多くの成果を上げています。また、X 線の精密分光によるQED 検証、負ミュオンの原子核捕獲で誘起される核反応など負ミュオン元素分析法の境界領域の研究も活発に行われています。本研究会ではこれらの研究テーマに加え、実験装置、実験・解析の方法論、ミュオン捕獲過程の数値計算モデル、施設など負ミュオン元素分析に関係する30 以上の口頭発表があり、70 名(対面:38 名、Zoom:32 名)の参加者による活発な議論が行われました。
 また、最終日には物質・生命科学実験施設の見学も行われ、負ミュオン元素分析が行われているミュオン実験施設(MUSE)D ラインと元素分析用装置をはじめ、他のミュオン実験装置や中性子実験装置が紹介されました。

 

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図1:ワークショップ参加者の集合写真。

 

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