2026年 5月 14日
Dライン超伝導ソレノイド⽤冷凍機修理
(2025年5⽉〜10⽉:
昨年度の夏期シャットダウン中に実施された冷凍機修理作業の詳細まとめ)
1. トラブルの概要と初期調査
(ア) 不具合内容: FY2023、Dライン超伝導ソレノイド磁⽯⽤冷凍機(TCF50)の⾼圧ラインと低圧ラインの間で微⼩なガスリークが発⽣。JTバルブ(断熱膨張弁)の開度が40%から30%に減少するなどの影響が出ていた。
(イ) 原因調査: 聴診器を⽤いた調査により、第4熱交換器(HX-4)以降でのリークが疑われた。
(ウ) リーク箇所の調査: 未使⽤配管のV153 ラインから気液分離器へのリークが疑われた(銅管とSUS管の銀ろう接続部)。そこで、気液分離器の内部をファイバースコープで調査した。銅粉が容器の底に堆積していることを確認したが、リーク箇所の観察までは出来なかった。
2. 実施した調査・修理作業
2025年の夏季メンテナンスにおいて、以下の恒久対策を実施した。
(ア) 配線の切断と封⽌: 漏えい源の可能性があるV153ラインを切断し調査を⾏った結果、漏洩箇所を特定。端部をシールウェルド(溶接封⽌)することで漏えい箇所を完全に隔離した。
(イ) 品質確認: 溶接部に対し、浸透探傷試験(PT)および1.7 MPaG での気密試験を実施し、健全性を確認した。
3. 修理後の状況および結論
(ア) 冷却試験結果: 2025年10⽉21⽇に冷却を開始。翌22⽇には相分離器のLHeレベルが60%に到達し、正常な冷却性能を確認した。
(イ) 性能改善: 定格運転時、JTバルブの開度が修理前より約5%増加した。これは未使⽤ラインの切り離しにより、温かいセクションからの熱侵⼊が遮断されたためと考えられる。
(ウ) 結論: 漏えい源の隔離・修理に成功し、熱負荷も⼤幅に低減された。冷凍機システムは完全に復旧しており、予定通りユーザー運転を継続。