活動報告

2021年1月の活動報告 : Belleグループ

Belleグループが2021年1月の活動報告を行いました。Belle / Belle II実験は、KEKつくばキャンパスのKEKB / SuperKEKB加速器を用いて電子と陽電子を衝突させ、大量のB中間子・反B中間子対を生成し、宇宙初期の謎の解明を目指す実験です。Belle実験のデータ収集は2010年に終了しましたが、新たな発見に向けたデータ解析は現在も続いています。現在はBelle実験をアップグレードしたBelle II実験が行われています。Belle II実験では加速器や測定器を大幅に改良し、標準理論では説明できない新粒子の鍵となる現象の発見や消えた反物質の謎など、まだ見ぬ新物理の解明を目指しています。

 

Belle II実験は、すべての検出器の設置が完了し、物理測定のためにデータを取得するPhase3運転を2019年3月に開始しました。Belle実験の40倍のルミノシティ(ビーム中の粒子同士の衝突頻度)と50倍のデータ量の収集を目指しています。SuperKEKB加速器で新しい衝突方式の導入やさまざまな調整を続けた結果、2020年6月21日に世界最高のルミノシティを更新しました(SuperKEKB加速器が世界最高ルミノシティ(衝突性能)を達成しました)。また、Belle II実験データ収集の誤動作の状況把握および復帰方法の改善を進め、より安定にデータ収集を進めることができるようになりました。

データ解析の状況としては、Phase3運転で収集されたデータから、CP 対称性(物質・反物質の対称性)が破れていることなどBelle実験で得られた成果をBelle II 実験で再確認できました。

Phase 2運転で収集されたデータからは、暗黒物質の正体解明につながる未知粒子の候補などを探索しており、前回の報告時点で「まもなくPhysical Review Letter誌から出版予定」と報告していた結果が出版されたことに引き続き、新たに2篇目の論文が同誌に出版されました。

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