2020年6月の活動報告 : ニュートリノグループ
2020年6月24日
ニュートリノグループでは、茨城県東海村にあるJ-PARC(大強度陽子加速器施設)でT2K実験をはじめとするニュートリノの実験研究を行なっています。T2K実験では、J-PARCで生成した大強度のニュートリノをJ-PARCから295km離れた岐阜県神岡町にある巨大検出器、スーパーカミオカンデに打ち込み、ニュートリノと反ニュートリノそれぞれで「ニュートリノ振動」と呼ばれるニュートリノが空間を伝わるうちに別の種類のニュートリノに周期的に変化する現象を測定し、ニュートリノのCP対称性の破れ(物質・反物質の性質の違い)の探索などを行なっています。
2019年11月5日から2020年2月12日の期間ビーム運転を行い、終盤は約515 kWで定常運転を達成しました。この間取得したスーパーカミオカンデ(SK)のデータはT2K実験にてニュートリノ振動の解析に使用されます。T2K実験の近況として、この他にニュートリノのCP対称性の破れに関する論文が総合学術雑誌「Nature」に掲載されました。また、T2K実験のスポークスパーソンである市川温子氏(京都大学)が第40回猿橋賞を受賞しました。
スーパーカミオカンデ検出器を高性能化し、ニュートリノの性質を探る実験計画であるハイパーカミオカンデ計画は、2019年度補正予算が認められ、正式にプロジェクトが始まりました。
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