2020年1月の活動報告 : エレクトロニクスシステムグループ
2020年1月17日
エレクトロニクスシステム(E-sys)グループが2020年1月の活動報告を行いました。
E-sysグループは、素粒子原子核研究所のみならず加速器研究施設や物質構造科学研究所、放射線科学センター、超伝導低温工学センターといった機構内の様々な施設や他大学と一緒に、世界最先端の研究で活用される世界に1点だけの実験装置のセンサーからシステムに至るまでの開発等を行なっています。
E-sysグループの研究開発拠点はつくばキャンパスと東海キャンパスの2カ所になります。つくばキャンパスでは、例えばATLASグループ用の集積回路等の開発が進んでおり、中でもPatch-Panel ASICと呼ばれる集積回路は歩留まり99%で量産を完了しました。Belle IIグループ用に開発を進めている10bitADCと呼ばれる集積回路は、現在Belle II CDCグループと協力して評価を進めています。今後は改良を加え、Belle II実験以外の実験でも使用できるよう検討する予定です。一方、東海キャンパスでのプロジェクト用研究開発として、今回の活動報告では、シリコン検出器に合わせた高密度なチャンネル数を持つカスタム集積回路の開発や高集積プリント基板に関する報告がされています。この集積回路は、低雑音特性を維持しつつ、粒子が検出器を通過したタイミングを高速かつ高精度に決定できるという特徴をもち、実装・配線密度を高めつつ放熱性能を向上させたビルドアップ型プリント基板に直接実装されg-2/EDM実験で使用される予定です。
上記の開発に加えて、E-sysグループでは加速器科学における計測技術で世界をリードし、かつ、将来のKEKでのプロジェクトに貢献できるよう、高集積・高機能・広帯域計測技術の蓄積を行いながら新たな技術を生み出すための研究開発にも取り組んでいます。
E-sysグループではデバイスやシステムの開発に加え、若手を育成し先端技術の専門家を増やすことを目的とした”Open-It”というネットワークを立ち上げました。Open-Itの活動の1つとして、今回の活動報告では若手教育を中心としたOn the Job Training (OJT)ベースの研究開発が紹介されています。Open-Itでは、国内の大学生や高専生のみならず、海外からの学生も受け入れて種々の教育にも力を入れています。
これらの他に、E-sysグループは国際・社会連携にも取り組んでいます。
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