2020年1月の活動報告 : クライオジェニックスグループ
2020年1月27日
クライオジェニックスグループが2020年1月の活動報告を行いました。
クライオジェニックスグループは、Belleソレノイドをはじめとする超伝導電磁石や液化アルゴン・キセノン検出器など、粒子検出器で利用される極低温機器の開発や運転を行っています。マイナス272度以下の超低温冷却を必要とする超低速中性子源(UCN)やハイパー原子核を生成する液体水素ターゲットなどの技術的な支援もしています。
今回の活動報告では前回に引き続き、Belle II検出器の最深部にあるピクセル検出器(PXD)とシリコンストリップ検出器(SVD)を効率よく冷却するための、CO2冷却設備(IBBelle)の保守運用について報告されています。IBBelleは大きな問題なく運用されていますが、現在はリモート監視の強化や夏場の冷凍効率低下改善を目的として、少しずつ改良を加えています。
次に、素核研UCNグループならびにそのコラボレーション(TUCAN)メンバーと合同で、UCN実験に使用する新たなヘリウム冷凍機の開発状況が述べられています。今年度はこの冷凍機を構成する熱交換器を2種製作し、性能評価をしました。今後、もう1種類、マイナス272度以下の超低温領域の熱交換器を製作し、冷凍機の完成を目指します。
三番目では、J-PARCで進めているCOMET Phase1実験で使用する超伝導電磁石システムの建設状況が報告されています。建設は佳境を迎え、超伝導コイルの巻線工程は今年度で完了予定です。
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