2019年1月の活動報告 : ストレンジネス核物理グループ
2019年3月6日
素核研ストレンジネス核物理グループが2019年1月の活動報告を行いました。
素核研ストレンジネス核物理グループでは、KEK東海キャンパスにある大型陽子加速器施設(J-PARC)のハドロン実験施設で原子核実験を行っています。
中性子星の内部は、アップ、ダウン、ストレンジクォークで構成されるラムダ粒子が存在する可能性があるため、ラムダ粒子を2つ含む原子核であるダブルハイパー原子核は、地上で作ることのできる非常に小さな中性子星と考えることができます。ストレンジネス核物理グループは、このダブルハイパー原子核を実験で捉え、ラムダ粒子同士に働く力の詳細を調べることで、謎の多い中性子星の内部構造や形成条件などに関する謎を解く手がかりを見つけることを目標の1つとしています。
ストレンジネス核物理グループの実験の内、2016-2017年に行った実験(J-PARC E07)の解析結果から、今回数例のダブルストレンジネス原子核の核種を同定することに成功しました。E07実験は、2001年の先行実験(KEK-PS E373)で発見されたダブルストレンジネス原子核事象をより多く検出し新核種を発見するために、先行実験の約10倍の統計量が得られるよう設計された実験です。2018年12月現在、E07実験の解析は全乾板枚数の半分が完了しました。残りの解析も引き続き行われており、今回の発見は、E07実験の最初の成果となります。
実験一巡目が完了後は、検出効率を上げるとともにX線を検出するGe 検出器の信号がある事象を優先的に解析する方式に切り替え、二巡目の解析を進める予定です。
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