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【ようこそ素核研へ】ミューオン・中性子グループ 木村眞人さん着任インタビュー

2024年1月、ミューオン・中性子グループに、木村 眞人(きむら まさと)さんが特任助教として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

高校2年のとき、初めて物理を学ぶ中で、ドップラー効果が起こる仕組みについて自分の中で納得が行った時に、”アハ体験”のような快感がありました。それがきっかけで、自然の理の根本を追求していきたいという思いが芽生え、成長していき、素粒子物理学に行き着きました。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

学部4年から博士課程では、液体アルゴン光検出器を用いたダークマター直接探索実験(ANKOK実験)を行っていました。この実験は早稲田大学寄田研究室が世界最高感度を目指して進めていた小規模実験で、そこで素粒子実験のありとあらゆる面を経験できました。その後、ポーランドのAstroCeNTにポスドクとして着任し、同じく液体アルゴンを用いたダークマター実験であるDarkSide実験へ参加しました。イタリア・グランサッソ国立研究所(INFN, Laboratori Nazionali del Gran Sasso)の地下実験室で行われている欧米主導の500人規模の実験です。ダークマター探索解析や次期実験に向けた検出器較正を中心に研究を行いました。

 

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

J-PARC E34実験(ミューオンg-2/EDM実験)に参加します。ミューオン異常磁気能率(g-2)は、米国のブルックヘブン国立研究所(BNL)とフェルミ国立加速器研究所(FNAL)で測定された実験値と標準模型予測値に大きな乖離があり、標準模型を超えた新物理の示唆ではないかと20年来大きく注目されています。E34実験では、ミューオン加速という全く新しい技術を用いてこれを検証する計画です。そのために必要な高品質ミューオンビーム生成と加速技術を責任持って確立していきたいと思います。また、2028年の測定開始を実現すべく、実験全体を現場で引っ張っていけるように研鑽します。

■研究や作業などで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

通勤に片道40分かかるのですが、その40分のドライブはちょうどいい気分転換になっています。元来車の運転は好きなのに加えて、音楽をかけたり無音にしたり、窓を全開にして走ったり違う道で帰ってみる、など、気分によって自由にするのに、40分というのはいい塩梅の時間です。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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