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コンサート内容紹介:
このところ世界的にタンゴへの関心が高まっている。タンゴは19世紀の後半にブエノスアイレスの下町で生まれた地域独特の音楽だが、特に最近、クラシックやジャズなど異なる分野からもタンゴへの関心が寄せられており、また、日本でも、受身でなく自ら演奏したり歌い踊って楽しむ若い人たちも増えているようである。移民たちが仕事帰りに集う酒場の踊りから始まったタンゴが、グローバル化し、他の音楽との融合が進んでいるのは何故だろうか?大天才アストル・ピアソラの出現に負うところが大きいとはいえ、音楽を取り巻く社会環境の変化に拠る所も見逃せない。
このレクチャーコンサートでは、土浦市在住の作曲家であり、バンドネオン奏者である啼鵬氏と、南米在住の長かったギタリスト高田元太郎氏を招いて、時代を超えて人々を魅了してやまないタンゴのリズムと調べをお届けしたい。タンゴはアルゼンチン本国では、1900年代からずっと、酒場やカフェはもちろん、街頭でも行われており、バンドネオンとギターという編成は、最小限でありながら表現力は無限の組み合わせである。
今回はレクチャーコンサートということで、時代を追ってタンゴの名曲の数々を、解説を挟みながら演奏して頂くとともに、スタンダード・ナンバーにまつわる意外な事実、ピアソラの話題など、様々な興味深い話題も提供して頂く。高校生の時に、同じく高校生だった小松亮太さんと共演するなど、小学生時代より、タンゴ演奏歴20年の啼鵬氏と早稲田大学院理工学部理論核物理専攻卒(理学修士)という経歴を持つ高田元太郎氏の楽しいお話を交えながらのコンサートとなる予定である。
演奏者紹介:
啼鵬(ていほう) 略歴
東京生まれ。芸大附属高校(芸高)時代より、ピアノはもとより、ヴァイオリンをはじめとする弦楽器、クラリネットなど、多くの楽器を演奏する。現在でも頻繁に演奏する楽器はピアノ、ヴィオラ、クラリネット、そしてバンドネオン。特に日本におけるバンドネオン奏者は、啼鵬の他には同世代では小松亮太しかおらず、上の世代を入れても十指に余らない。主な活動としては大学での専攻である作・編曲の他、バンドネオン、ピアノ、指揮など。共演者としてはクラシカル・サクソフォーンの須川展也をはじめ、チェロの藤原真理、トランペットのアレン・ヴィズッティから、菅原洋一、芦野宏、冴木杏奈、あがた森魚、小松真知子とタンゴ・クリスタル、岩崎ひろしとタ
ンゴ・コスモスなどのタンゴ・バンド、カンツォーネの女王ミルバの伴奏オーケストラ等多彩である。執筆活動も行い、プログラム・ノートから解説、楽譜出版等多彩な音楽シーンで活躍している。
高田元太郎 略歴
18才で今野有二に師事し,クラシック・ギターを始める。1988年バリオホールにてデヴューリサイタル。1988年スペインのアルコイ市にてホセ・ルイス・ゴンザレスに師事。1989年より1992年までウルグアイの首都モンテビデオにてアベル・カルレバーロ,エドワルド・フェルナンデスに師事。またアルバロ・ピエッリ,エドワルド・イサークの講習も受ける。1993年より1996年までの4年間,南米ボリビアのラパス国立音楽院のギター科主任教授を受け持つ。ボリビアのほか,ブラジル,アルゼンチン,ウルグアイ,ペルー,チリ等南米各国にて演奏会,講習会を行う。1997年、帰国。以降、各地にて演奏・教授活動を行う。 現在、現代ギター学院講師。早稲田大学院理工学部理論核物理専攻卒(理学修士)。
平成15年度より昭和音楽大学講師。 |
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