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      物質世界を宇宙の歴史の中で導く重要な素粒子の性質「CP対称性の破れ」に関し、昨年の発表とは異なる新しい面を示唆する観測結果が得られました。今後の素粒子物理学の発展にとって重要な観測成果であり、今回の成果の詳細と日米間の国際競争の中で、日本の研究が今後注目を集める点を発表いたします。 
       
       
       
      Belle 実験の研究成果について 
       平成14年3月11日 
       KEKB 加速器はその性能を著しく向上し、別紙に示すように、これまでに存在した電子陽電子ビーム衝突型加速器の世界最高の記録を次々と更新している。 
         
      一方、Belle 実験は順調に推移し、現在までに約6千万のB中間子生成事象の観測をした。このうち、昨年末までに集めた約4千4百万個のB中間子崩壊事象の中から、B中間子が二つのパイ中間子に崩壊する事象、74例を確認し、この崩壊において、「粒子と反粒子の性質の違い」がある事を確認した。今回の発見は、昨年発表した最初の発見とは独立な現象であり、B中間子崩壊における「粒子と反粒子の性質の違い」の現象、ひいては、素粒子の性質の解明につながる重要な意義のあるものである。 
         
       
      
        
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          KEKB加速器、世界最高ルミノシティを続々更新 
             
            KEKB加速器は2001年3月に世界最高ルミノシティ(3.3インバースナノバーン/秒)を達成した後も、引き続き性能向上につとめ、2002年3月5日には6.7インバースナノバーン/秒を達成した。1年間で2倍以上の性能の向上がはかられた。この間左図が示すように、競争相手であるPEP-II(米国スタンフォード大学)には一度も抜き返されることはなく、その差をますます広げている。
             
            このルミノシティの向上が昨夏のB中間子におけるCP非保存の発見や今回のダイレクトCP非保存の検出をもたらした。 | 
         
       
 
      
        
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          | 1999年以来のKEKBの性能の発展。上から1日の最高ルミノシティ、1日の積分ルミノシティ、蓄積電流(LER, 
            HER)、Belleの積分ルミノシティ | 
         
       
       
      
       
      
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