【用語解説】 |
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Belle実験 |
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高エネルギー加速器研究機構に建設されたKEKB加速器で電子と陽電子を衝突させることにより、B 中間子と反B 中間子の対を大量に発生させ、衝突点に設置したBelle測定器でその粒子崩壊過程を詳しく調べることによって物質と反物質の僅かな性質の違いを究明するもので、世界の約50の大学と研究機関に属する約400名の研究者によって構成されている国際共同実験である。 |
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量子もつれ |
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量子力学では、粒子などの物理状態は複数の可能な状態が同時に重ね合わさっているものとして取り扱われる。観測を行った瞬間に、このうちの1つの可能性が実現され、その状態に対応する物理量が観測されることになる。2つ以上の粒子の量子状態の場合には、この重ね合わせ状態は、個々の粒子の状態が「もつれ合っている」と理解され、1つの粒子の物理量を観測しただけで、残りの粒子の物理量が判明する場合がある。この相関現象は粒子の間の距離に依らず、また相関の性質を観測者が規定できるなど、古典物理学の下での相関と本質的に異なるもので、「量子もつれ」(量子エンタングルメント)と呼ばれている。KEK BファクトリーではB 中間子と反B 中間子がそれぞれ0.1ミリ程度飛行した後に崩壊し、量子もつれが観測される。この距離は原子や分子の大きさよりもはるかに大きい。 |
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量子計算 |
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複数の可能性をもつ量子状態を何個か相互作用させることによって、それぞれの可能性について相互作用を時間発展させることができる。人間が観測した瞬間に、それぞれの可能性のいずれか1つが実現されるが、時間発展は同時並行的に行われるので、原理的には超並列計算を行うことが可能とされる。この原理を量子計算または量子コンピューティングと呼ぶ。 |