【用語解説】 |
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※1 |
超弦理論 |
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素粒子の間に働く基本的な相互作用としては、電磁気力、弱い相互作用、強い相互作用、重力の4つが存在する。重力以外の3つの相互作用を記述する理論は存在するが、重力を含めた素粒子理論に関しては、現在も様々な研究が進められている。超弦理論では、すべての素粒子を、一次元的な拡がりを持ったもの(「弦」)の様々な振動モードと考えることによって、重力を含めた4つの相互作用を統一的に記述することが可能になる。 |
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※2 |
ホーキング輻射 |
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ブラックホールが光などを放出しながら少しずつ小さくなる現象。素粒子理論によると、何も存在しないと考えられる真空中でも、粒子と反粒子が対になって生成しては消滅するという過程が絶えず起こっている。このような効果をブラックホールのまわりで考えることで、ホーキング輻射が導かれる。 |
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※3 |
一般相対性理論 |
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1915年〜1916年にアインシュタインが考案した重力の理論。物体に質量があると、その周りの時空が歪み、重力はその歪みとして導かれる。時空の歪みが小さい範囲では、近似的にニュートンの万有引力の法則と一致する。一般相対性理論の正しさを裏付ける現象としては、水星の近日点移動や重力レンズ効果などが知られている。大きな質量が狭い領域に押し込められた状況では、まわりの時空が著しく歪み、ブラックホールが形成されることが導かれる。一般相対性理論の登場により、時空そのものが力学の対象となり、ビッグバン理論に基づく宇宙論へと発展した。 |
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※4 |
弦の凝縮状態 |
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超弦理論において、素粒子を表す「弦」が凝縮してできる状態。1995年に発見されて以来、超弦理論の研究が大きく発展した。この様な状態の中には、遠方から見るとブラックホールに見えるものがあり、ブラックホールの内部構造を解明するために本研究でも用いられた。 |