【背景】
タンパク質の立体構造を基にした薬剤設計(Structure Based Drug Design)は、新薬開発における大変有用な手段である。近年では結晶構造解析手法の進歩に伴い、標的となるタンパク質に対し、あらゆる化合物との複合体の構造解析を行い比較することで、化合物によりタンパク質の活性を阻害する仕組み(または促進する仕組み)を総括的に理解することが可能になってきた。更なる理解促進のためには、より迅速に精確な回折データの収集を行うことが第一であり、大強度のX線ビームを安定に供給できる放射光ビームラインの実用化が希求されて来た。