【用語解説】 |
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※1 |
クォーク |
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物質を構成する最も基本的な粒子で6種類が存在する。3つの階層に分類され、それぞれ(アップ, ダウン)、(チャーム, ストレンジ)、(トップ, ボトム)と名付けられている。このうち、アップ、チャーム、トップは電荷 +2/3を、ダウン、ストレンジ、ボトムは電荷‐1/3を持つ。また、各クォークには反対符号の電荷を持つ反粒子(反クォーク)が存在する。 |
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(反粒子は上に横線を付して表記するのが慣例である) |
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※2 |
中間子 |
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クォークと反クォークが結合した粒子で、クォークの組み合わせによって、B0、B+、K+、K-、π+、π-などの様々な中間子が知られている。 |
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※3 |
Belle実験グループ |
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世界15の国と地域、61研究機関からの約400人の研究者からなる国際共同チームである。 |
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※4 |
CP対称性の破れ |
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粒子と反粒子の間に本質的な違いがあるかどうかは、粒子と反粒子の入れかえ"C(チャージ:電荷、+と−)"と、空間反転(鏡に写して見た状態)に対する性質"P(パリティー)"を組み合わせた"CP変換"に対する性質を調べることでわかる。粒子と反粒子のふるまいが同じならば「CP対称である」と言い、違いがあれば「CP対称性が破れている」と言う。 |
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※5 |
小林・益川理論 |
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小林誠博士と益川敏英博士は、クォークが少なくとも3世代6種類以上あるならば、CP対称性の破れを自然に証明できるという理論(小林・益川理論)を提唱し、2008年ノーベル物理学賞を受賞。日本とアメリカのBファクトリー実験は、B中間子の系におけるCP対称性の破れを観測し、2001年に小林・益川理論の正しさを実験で証明した。 |
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※6 |
ルミノシティ |
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粒子と粒子の衝突の頻度を示す値。 |
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※7 |
K中間子の励起状態 |
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中間子の中には、同じクォークと反クォークより構成されているが質量などの性質が異なる中間子が存在する。それらの中で最も質量が小さい状態を基底状態といい、それ以外の状態を「励起状態」と呼ぶ。K*中間子は、K中間子の励起状態でありK中間子とπ中間子に崩壊する。 |
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※8 |
レプトン対 |
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レプトンは、クォークとともに物質を構成する最も基本的な粒子で6種類が存在する。クォークと同様に3つの階層に分類され、荷電をもつもの(電子、ミュー粒子、タウ粒子)と中性の三種のニュートリノがある。各レプトンには、反粒子(反レプトン)が存在する。
一般にレプトンと反レプトンのペアをレプトン対と呼ぶが、ここではその中で、電子と陽電子のペア(e+e-)または、正負電荷を持ったミュー粒子のペア(μ+μ-)を指して「レプトン対」と記述する。
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※9 |
前後方非対称度 |
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K*中間子の方向に対して正荷電レプトンの方向が前方側(K*中間子の方向に対して角度が90度以内)の事象数と後方側(角度が90度より大きい)の事象数の差を全事象数で割った値が「前後方非対称度」である。すべての事象が前方側の場合 +1であり、すべての事象が後方側の場合 −1である。対称な場合(前後方の事象数が同じ)は0となる。 |
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※10 |
不確定性原理 |
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量子力学では、(時間とエネルギー)や(運動量と位置)などの二つの物理量の不定性の積が一定であるというハイゼンベルグにより提唱された原理。この原理によれば、非常に短い時間(時間が精度よく決まっている)ならエネルギーの不確定性が非常に大きくなるので、B中間子がずっと質量の重いWボソン、Zボソンやトップクォークなどの中間状態を通して崩壊できる。 |
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※11 |
超対称性粒子 |
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超対称性理論※12によって存在が予言される未知の粒子。素粒子の標準理論で既知のクォーク、レプトンなどすべての粒子に対して、超対称性と呼ばれる数学的変換に対応したパートナーの粒子が存在するとされる。通常、各粒子の記号の上に「〜」をつけて「超対称性」を表記する。クォークのパートナー粒子は「スカラークォーク」と呼ばれ、略して「スクォーク」(頭にsをつける)とも呼ばれる。電荷は元のクォークと同じ。クォークと同様に反対の電荷を持つ反粒子(反スクォーク)が存在する。
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※12 |
超対称性理論 |
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素粒子の標準理論には、理論では決定することができないいくつかの外部パラメーターがあり、現在の宇宙を説明するためにはそれらのパラメーターが何十桁にもわたってある値に合致していなければならないなど、いくつかの謎が含まれる。それらの謎を合理的に説明できる理論として、すべての粒子には、超対称性※13と呼ばれる数学的変換に対応したパートナーの粒子が存在するとした理論のこと。 |
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※13 |
超対称性 |
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すべての粒子には回転を表す「スピン」と呼ばれる性質があり、「0」「1」などの整数スピンの粒子(ボーズ粒子)※14と「1/2」「3/2」などの半整数スピンの粒子(フェルミ粒子)に分類される。ボーズ粒子とフェルミ粒子はそれぞれ異なる統計の性質を持つ運動方程式で記述されるが、スピンを「1/2」だけ変えて入れ替える数学的操作のことを超対称性と呼ぶ。 |
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※14 |
整数スピン粒子(ボーズ粒子)の超対称性 |
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整数スピン粒子(ボーズ粒子)の超対称性パートナーは半整数スピン粒子(フェルミ粒子)、半整数スピン粒子(フェルミ粒子)の超対称性パートナーは整数スピン粒子(ボーズ粒子)となる。 |