去る2月21日(土)午前11時35分に、KEKB加速器が運転を開始して以来、Belle検出器が蓄積した全積分ルミノシティが200 /fb（インバース・フェムトバーン） に到達しました。

Belle検出器の積分ルミノシティは世界記録を更新中ですが、2002年10月に100/fbに到達して以来、わずか１年４ヶ月で今回の記録が達成されました。このスピード記録達成は、KEKB加速器の急速な性能向上によって実現しました。

最近のKEKB加速器の性能向上の成果の一つとして、Belle検出器との協力で実現した「連続入射」方式が挙げられます。この方式を用いると、従来データ蓄積を止めていたビーム入射中もデータを取り続けることが可能になり、しかもルミノシティを最大に近い状態のまま保つことができるようになりました。この「連続入射」方式の成功により、一日に蓄積できる積分ルミノシティが実績値で30％近く向上しています。

KEKB加速器の一日の稼働状況（これまでのところ最も成績が良かった2004.2.15のもの）。HER（高エネルギーリング）とLER（低エネルギーリング）のビーム電流がほぼ一定に保たれ、またその結果ルミノシティもほぼ一定で高い値 (〜1×1034/cm2/sec) で保持されている。この日は、一日で約819/pb=0.819/fbを蓄積することができた。         関連リンク： KEKBのホームページ	同様のプロジェクトを進行中の米国SLACの装置との積分ルミノシティの比較。
	200/fb達成に喜ぶ関係者たち（KEKBコントロール室にて）