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last update:05/03/25  
 
 
Source: ICFA
Date Issued: 21 March 2005

バリー・バリッシュ氏が国際リニアコライダーのデザイン責任者に
 
将来加速器国際委員会(ICFA)は3月18日(金)、米国スタンフォード大学で開催された国際リニアコライダー研究会において、国際リニアコライダー(ILC)の基本デザイン策定(Global Design Effort: GDE)の責任者としてバリー・バリッシュ教授を指名すると発表した。バリッシュ氏はカリフォルニア工科大学物理学科の教授で、現在はLIGO研究所の所長を務めている。
 
バリッシュ氏は「私はこの新しい役割を受け入れることにわくわくしています。リニアコライダー計画の国際的なデザインを精力的に進めるための準備はできています。」と語った。「素粒子物理学は活気に満ちた分野であり、深遠な発見がなされようとしています。宇宙に対する我々の理解は過去2、3年で革新的に変わりましたが、加速器技術によってこれらの新しい謎に挑むことができます。リニアコライダーで探査が可能になるエネルギー領域では様々な科学的成果を生み出すことが出来るという証拠が集まりつつあります。技術的進歩によってその建設が実現可能になりつつあるのです。リニアコライダーは科学の進歩の次のステップを探る画期的なプラットホームとなることでしょう。国際リニアコライダーによって、将来の世代が使う科学の教科書が書き換えられるような歴史的な発見が可能になります。」
 
国際リニアコライダーは次世代の国際的な粒子加速器として提案されている。バリッシュ氏は、加速器の最終的な技術的デザイン報告書(Technical Design Report)を準備するために必要な研究開発プロジェクトに取り組んでいる世界中の数百人の科学者を指揮することになる。この報告書が完成すれば、各国の財政組織がプロジェクトを正式に承認するためのプロセスへと移る。この加速器では電子とその反粒子である陽電子を衝突させ、高エネルギーの素粒子反応を調べる。国際リニアコライダーは科学者がダークマター、エクストラ・ディメンジョン、物質、エネルギー、空間と時間の基本的な性質など、21世紀で最も深遠な謎の多くを解くための道具を提供する。国際リニアコライダーは計画の当初から国際的な科学プロジェクトとして設計され、資金を供給され、管理され、運営される。
 
ICFAの議長であり、スタンフォード線形加速器研究所(SLAC)の所長のジョナサン・ドルファン氏は、「バリー・バリッシュ教授は、素粒子物理学で、また国際リニアコライダーのための国際技術評価委員会(Technology Review Panel)の委員長として最も尊敬されている人物の一人です。彼はプロジェクトの全ての側面を詳細に理解しています。アジア、ヨーロッパと米国で進められている研究開発の資源や活動の調整役として、リーダーシップを発揮してくれるでしょう。」と述べた。
 
アジア、ヨーロッパと米国の財政組織の関係者は、国際リニアコライダーを承認するため手続きの基礎を築くために、すでに何回かの会議を開いている。イアン・ハリデー氏(英国のParticle Physics and Astronomy Research Council(PPARC)の最高責任者)は、最新の会議について次のようにコメントした。
 
「2005年3月4日にロンドンで開かれたFALC(リニアコライダーのための財政組織)の会議は、大きな成功を収めました。プロジェクトを導くバリー・バリッシュ氏の指名は、FALCで強く支持されました。FALCは彼が昨年加速器の技術選択の際に示した決断に対し、大いに感動しています。」
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK、日本)の機構長で物理学者の戸塚洋二氏もバリッシュ氏の指名を歓迎している。
 
「国際リニアコライダー計画の規模と複雑さはこれまでに類を見ないものです。この加速器の建設と運転のためには、完全に国際化された新しい手法を必要としています。世界の研究者は『リニアコライダーの加速器技術として超伝導方式を用いる』とする2004年8月の決定の後、急速に組織化されました。最近日本で開かれた国際リニアコライダー研究会ではプロジェクトに対する研究者たちの大いなる熱意を感じることができました。私はバリー・バリッシュ氏が国際リニアコライダーの基本デザイン策定の責任者としてリーダーシップを発揮すると確信します。」
 
ジュネーブ(スイス)の欧州合同原子核研究機関(CERN)で現在建設中のLHC計画(Large Hadron Collider)が2007年に実験を開始すると、素粒子物理学の発見の新しい時代が開く。LHCは円形の陽子-陽子シンクロトロンで、これまでで最も高いエネルギーの粒子加速器となる。国際リニアコライダーは、LHCと同じエネルギー領域を異なる手法で調査する。電子と陽電子の衝突によって、国際リニアコライダーは驚異的な精度の実験結果を提供し、科学の未知の領域の探検を可能にする。
 
オックスフォード大学の教授で将来加速器欧州委員会(ECFA)の議長でもあるブライアン・フォスター氏は以下のようにコメントした:「この指名は、昨年8月に決定されたILC加速技術の選択の後、国際的な素粒子物理学コミュニティの間にすでに高まっている大きな機運をさらに盛り上げます。ILC基本デザイン策定は北アメリカ、ヨーロッパとアジアで研究開発を進めている加速器科学者と素粒子物理学者の努力を調整する場を提供します。これは、ILC計画を前進させるための重要な一里塚です。」

将来加速器国際委員会(ICFA)      

 
 
バリッシュ教授の経歴書(PDF):
    http://www.ligo.caltech.edu/~skammer/bcbcvpubl_03.pdf
写真はこちらから:
    http://www.ligo.caltech.edu/~skammer/bcbphotos.html
ILC計画に関するさらに詳しい情報:
    http://www.interactions.org/linearcollider/
英語版はこちらから:
    http://www.interactions.org/cms/?pid=1018952
 
 
連絡先:
    Barry Barish, Caltech, +1 310 396 3076
    barish@ligo.caltech.edu
    Judy Jackson, Fermilab, +1 630 461 8731
    jjackson@fnal.gov
    Youhei Morita, KEK, +81 29 879 6047
    youhei.morita@kek.jp
    Brian Foster, ECFA, +44 1865-273323
    B.Foster1@physics.ox.ac.uk
 

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