1) |
ILCが目指す研究は重要であり、機構長はその推進を政府及び各国研究機関等と協力して行うべきである。
GDEの活動が進み、また、米国における検討の進展、ILCに関する各国政府機関担当者の非公式会合であるFALCにおける情報交換も進んでいる状況を踏まえ、機構長は関係するコミュニティとともに、政府とも密接に情報交換、調整を行うことが重要である。
また、アジアとの協力は重要で、そのために、総合科学技術会議諮問第5号「科学技術に関する基本政策について」に対する答申に謳われているアジア地域科学技術閣僚会議(仮称)などでの主要議題として取り上げるとともに、その中でアジア各国との協力関係を早急に築くことが望まれることから、その実現に向けて関係機関に働きかけていくことが期待される。
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2) |
関係する研究者は、ILCプロジェクトの持つ科学の壮大さと夢を機会あるごとに提示して、国民の共感と賛同を得るとともに、学界・政界・官界・産業界・マスメディア等にも十分な理解と支持を得られるよう最大限の努力が必要であり、機構長はこの必要性について関係する研究者の理解と協力を求めていくべきである。
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3) |
設計の骨組み案が発表されたが、コスト評価を行うためのサンプルサイトの提示がアジアから出されていない。アジア地域がILCの推進に遅れをとらないためにも、早急にGDEに提示し、コスト評価及び概念設計に反映させることが必要である。
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4) |
ILCの実現及び日本への誘致について検討していくに当たっては、ILCの組織のあり方についても検討される必要があり、その際には、日本の科学全体の発展を目指す立場から、KEKの果たすべき役割についても、組織の改変等も含めた様々な視点から十分検討すべきである。 |