KEKの片山伸彦教授、西田昌平助手、足立一郎助手(共に素粒子原子核研究所)と建部修見筑波大学助教授(システム情報工学研究科)を中心とする筑波大学・高エネルギー加速器研究機構(KEK)のチームは、2006年11月にアメリカ合衆国フロリダ州タンパ国際会議場で開催された、IEEE Computer Society、ACM主催のInternational Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis(SC06)において、HPC Storage Challengeに参加し、大規模システム部門で優勝しました。
HPC Storage Challengeは、アプリケーションによるストレージシステムの効率的な利用を競うもので、性能、スケーラビリティ、効率、および革新さが評価の対象となります。Challengeでは、研究開発を進めているGfarmファイルシステムをKEKの新B計算機システムに構築し、1112ノードの計算ノードからのアクセスで52.0GB/sec(1秒間に52.0GBのデータをアクセスする速度)を達成し、今まで3週間ほどかかっていた全実験データの読込みを10分以内で可能にしました。
実際のデータ解析でも704ノードを利用して24.0GB/secのデータ処理速度を達成し、データ解析に要する時間を1/1000以上短縮しました。これにより、標準モデルを越える物理の手がかり発見など、今後の研究発展の加速が期待されます。
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