Belle実験での成果をまとめた論文が、トムソンコーポレーション社による「ホットペーパー」に選出されました。
トムソンコーポレーション社では学術文献データベース・分析システムを提供しており、2003年11月-2005年10月の2年間に発表された学術論文の中で、05年9-10月の期間に被引用件数の多かった上位0.1パーセントを今回の「ホットペーパー」と定義しています。
今回、Belleグループの以下の6本の論文が「ホットペーパー」として選出されました。
・Observation of a new narrow charmonium state in exclusive B+ ->K+ pi+pi-J/psi decays Phys. Rev. Lett.91 262001(2003)
(B間子のK+-π+π-J/Ψ崩壊モードにおける、狭いチャーモニウム共鳴状態の観測)
・Study of B- -> D**0 pi-(D**0 -> D(*)+ pi-) decays PR D69, 112002 (2004)
(B-中間子のD-**0π-崩壊モードの研究)
・Evidence for Direct CP Violation in B0 -> K+- pi-+ Decays Phys.Rev. Lett.93 191802(2004)
(B0中間子のK+π-崩壊モードにおける直接的CP非保存の観測)
・Improved measurement of CP violation parameters sin2phi1 and |lambda|, B meson lifetimes, and B0-B0bar mixing parameter Dmd PRD 71, 072003 (2005)
(sin2φ1、λ、B中間子の寿命、B中間子系の混合パラメタなどのより精密な測定)
・Neutral B Flavor Tagging for the Measurement of Mixing-induced CP Violation at Belle Nucl. Instrum. Meth. A533: 516,2004
(B中間子混合によるCP非保存測定の為の中性B中間子のフレーバー同定)
・Observation of a near-threshold omega-J/psi mass enhancement in exclusive B-->K omega J/psi decays Phys. Rev. Lett.94 (2005)
(B中間子のKωJ/Ψ崩壊におけるωJ/Ψ質量閾値近傍の事象増大効果の発見)
同社はさらに「ホットペーパー」の著者に対するランキングを「ホットリサーチャー」として定義しており、05年9-10月の期間の上位10人の中にBelle実験グループの片山伸彦氏、羽澄昌史氏(KEK)、田村詔生氏(新潟大)、渡邊靖志氏(東工大)、飯島徹氏、岡部壮志氏(名古屋大)、Young-Il Choi氏(Sungkyunkwan University, Korea)、Simon Eidelman氏(Budker Institute, Russia)がランキングされました。
片山氏、羽澄氏、飯島氏、岡部氏は上記論文のすべてに共著者となっています。また、田村氏、渡邊氏らは内5編に共著者となっており、また、スーパーカミオカンデでのニュートリノ実験に関する「ホットペーパー」の共著者でもあります。
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