>ホーム>ニュース >トピックス >この記事		last update:06/06/16
総研大の夏期実習     KEKでは毎年夏のこの時期に、学部高学年の学生などを対象とした総合研究大学院大学高エネルギー加速器科学研究科の夏期実習が行われます。今年は6月13−15日の３日間で行われ、100人が参加しました。この実習ではどのようなことが行われているのか、今回のスケジュールに沿って紹介します。     -------------------------------------------------- 第１日目（6月13日） 午前中　受付及び放射線安全講習 13：00　全体ガイダンス 13：10　KEK及び総研大の紹介 14：00　共通講義（1講義80分／3会場で並行して実施）   　　　　　講義1「人類の知的財産としての基礎科学：高エネルギー物理学の場合」 　　　　　　　　　講師：　高崎史彦　素粒子原子核研究所所長 　　　　　講義2「J-PARCが拓く物質構造科学」 　　　　　　　　　講師：　池田進　物質構造科学研究所副所長 　　　　　講義3「リニアコライダー設計」 　　　　　　　　　講師：　横谷馨　加速器研究施設教授   15：30　テーマ別実習ガイダンス 18：30　懇親会 ------------------------------------------------- １日目は、必要な手続き、実習全体のガイダンスの後、KEKと総研大の説明があります。ここで、総研大高エネルギー加速器科学研究科が設置されるKEKにおいての大学院教育の概要が紹介されます。次に、まず実習の始めとして、KEK研究者による講義が複数の会場で行われ、参加者はそれぞれの専門、興味に合った講義を聴講します。今年は、上記のように、基礎科学の概論とも言うべき講義と、J-PARC、リニアコライダーというKEKの主要な将来計画についての講義が用意されました。その後、翌日に行われる実習別のガイダンスがあり、夕方には懇親会が開かれ、実習の実をより上げるために、参加者同士、参加者と実習担当教員の間の親睦が深められます。     ------------------------------------------------- 第２日目（6月14日） 9：00−　テーマ別実習 　実習テーマ 　（素粒子原子核研究所） 　　　素粒子原子核理論入門−標準模型から究極の理論へ− 　　　BELLE実験：B中間子の崩壊から反物質の世界を探る 　　　豆カミオカンデによる宇宙線μ粒子の測定 　　　LC実験：ヒッグスボソンや超対称性粒子を見つけてみませんか？ 　　　放射線測定器の製作と飛跡検出実験 　　　レーザーによるシリコン半導体測定器の特性測定 　　　波長変換ファイバー読み出しによるシンチレーションディレクターの制作 　（物質構造科学研究所） 　　　光電子分光で物質の電子状態を探る 　　　コインシデンス分光による内殻励起、オージェ過程、イオン脱離 　　　PF-ARのパルス放射光を利用した時間分解XAFS実験 　　　単色X線を用いた医用画像診断 　　　固体表面のポジトロニウム飛行時間分光実験ならびに低速陽電子ビームの観察 　　　軟X線円偏光を利用したナノスケール磁性体の内殻磁気円二色性の測定 　　　蛋白質X線結晶構造解析 　　　粉末構造解析 　　　ダイヤモンド・アンビルによる圧力誘起相転移の実験 　　　マイクロビーム照射された細胞での損傷観察 　（加速器研究施設・共通基盤研究施設） 　　　フォトカソードRF電子銃による電子ビーム生成とマイクロ波加速空胴の実習 　　　数値シュミレーション入門 　　　超伝導転移と伝導の物理 　　　希ガスシンチレーションとその放射線位置検出器への応用II 　（大強度陽子加速器計画推進部） 　　　J-PARC（大強度陽子加速器施設）の建設施設見学と目指す科学 -------------------------------------------------- 参加者は事前に自分の受講したい実習テーマを選び、この日は一日、それぞれの実習場所で、担当の教員につきっきりで実習を行います。上記のように多彩なテーマが設けられているので、自分の関心事により近い実習を選択することができます。また、教員1人に対して数名の実習生という割合ですので、実習は密度の濃いものとなります。              ------------------------------------------- 第３日目（6月15日）   9:00　テーマ別実習又は実習報告会 12:30　KEKつくばキャンパス施設見学 15:10　実習全体のまとめ 15:20　解散 ------------------------------------------- 午前中は、前日に引き続いての実習、及びそれぞれの実習の報告会が行われます。午後には、KEKB筑波実験棟、KEKBコントロールルーム、先端加速器試験開発施設（ATF）、放射光科学研究施設などKEKつくばキャンパスの主要施設の見学ツアーが企画されます。ツアーは専攻ごとにコースが設定され、限られた時間の中でもより有意義にKEKの研究活動を見聞してもらえる内容となっています。   参加者は、この3日間の実習を通して、研究や実験についてのノウハウや、それぞれの研究分野での人間関係など、各人各様に得るものがあるようです。      関連サイト：     総研大高エネルギー加速器科学研究科のwebページ     http://www.kek.jp/sokendai/index.html   2005年の様子：   ・2005.6.30 今年も夏期実習 〜５年一貫制の総合研究大学院大学に向けて〜     http://www.kek.jp/newskek/2005/mayjun/sokendai2005.html

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