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last update:07/03/27  
Belle実験でD中間子の粒子−反粒子混合現象を発見
 
 
KEKBファクトリーを使って行われているBelle実験において、これまでに収集したデータを解析した結果、D0と呼ばれる中間子がその反粒子である反D0中間子に変化する混合現象を観測しました。
 
粒子が反粒子に移り変わる混合現象は、中性の中間子に特有の現象で、これまでにK0中間子、Bd中間子、Bs中間子の混合現象が確認されていましたが、唯一D0中間子については、確認されていませんでした。素粒子の標準理論に従うと、D0中間子の混合率は非常に小さいと予想されていて、このことは、D0中間子における混合現象は、標準理論を超える新しい物理効果に対して感度の高い現象であることを意味します。
 
1976年にD中間子が発見されて以来、この混合現象は、電子陽電子あるいは陽子反陽子衝突加速器や固定標的を使った多くの実験で検出が試みられましたが、発見されませんでした。
 
混合現象があると、D0中間子の崩壊寿命が崩壊の終状態によって僅かに変化します。今回のBelle実験の解析では、D0中間子がK-π+に壊れる場合とK-K+又はπ-π+に壊れる場合の寿命を精密に比較し、(1.31±0.32±0.25)%の差があることを確認しました(第一誤差は統計誤差、第二誤差は系統誤差を表します)。この測定結果は、崩壊モードによる寿命の違いがゼロでない有限の値を持つことを有為に示しています。この結果を標準理論の予測値と比較することによって新しい物理の現象を探索することが可能になります。
 
今回の結果は、3月13日にイタリアのラ・テュイールで開催された素粒子物理学分野の国際会議「Rencontres de Moriond 2007」で発表されました。
 
 
 
参 考 資 料: M.Staric's Talk at Moriond 2007 (pdf)
関連サイト: Belleグループのwebページ(http://belle.kek.jp/
 

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