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last update:09/12/11
アクセラレータボードを使った高速化スクール
12月7日〜9日に、計算科学センターで「アクセラレータボードを使った高速化スクール」が開催されました。
物理学における理論の数値計算や加速器や実験のシミュレーション計算などでは、多くの場合、結果を得るのに大変長い時間がかかります。これまでもいろいろな方法で計算時間を短くするための研究が行われていますが、この2、3年の間に、アクセラレータボードを使って計算を高速化させることが広まってきています。
アクセラレータボードとは、文字通り「計算速度を加速するためのボード」のことで、同時に動かすことができる数百もの大量の計算プロセッサから構成されるチップを搭載したボードのことです。これは、パソコンに接続して使うことができます。チップは科学計算のために専用に開発されたものから、ゲーム機用に開発されたもの、コンピュータ・グラフィックス用に開発されたものなど、いろいろな種類があります。なかでも、グラフィックボードをパソコンから使うことは、その手軽さから大変盛んになってきています。またこのようなアクセラレータボードを使って科学計算をするためのプログラミング環境の整備も進んできており、アクセラレータボードは活発な進化をつづけています。
そのような状況のなか、今回のスクールでは、アクセラレータボードを使って計算を高速化するためのプログラミング手法を実用的なレベルまで身に付けることを目標としました。スクールの前半では、参加者はアクセラレータボードのハードウェアの特性、高速化のための並列プログラミング手法などについて講義を受けました。つづいて実習では、アクセラレータボードを搭載したパソコンで高速化の効果を体験しました。今回は、アクセラレータボードとして、東京大学・国立天文台で開発されたGRAPE-DRボードと商用のグラフィックボードの2種類を用意し、参加者に共通点と相違点を学んでもらいました。スクールの後半では、参加者が各自の科学計算のアプリケーションを高速化することに挑戦しました。
スクールの参加人員は機材の都合で当初10名としていましたが、実際はその2倍以上にのぼる方から参加申し込みがありました。素粒子理論や加速器シミュレーション、計算機科学といった幅広い分野から、学生や研究者がそれぞれのテーマをもって参加しました。スクール中は、参加者の熱意と実習用のパソコン6台の発熱のため部屋の暖房をオフするような場面もありました。わずか2日半でしたが、多くの参加者はアクセラレータボードの有効性についての手応えをつかんでスクールを終了できたようです。
関連サイト:
アクセラレータボードを使った高速化スクールのwebページ
http://suchix.kek.jp/bridge/Accel09/
スクールの講義開始。
実習風景。
プログラミング現在進行中。
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