5月21日、つくば国際会議場において、湯浅年子博士ラボラトリ・セレモニーが開催されました。
湯浅年子博士(1909-1980)は、キュリー夫妻の娘の夫、フレデリック・ジョリオ=キュリーに物理学を学び、フランス国立科学研究所の研究者としてその人生の大半をフランスでの研究に捧げた物理学者です。日本初の国際的に活躍した女性物理学者としても知られています。
KEKとフランス国立科学研究所・フランス原子力庁は、国際的な研究連携の枠組みとして「日仏素粒子物理学研究所(FJ-PPL)」を立ち上げており、今回のセレモニーは前日から開催されたFJ-PPLワークショップと併行して行われました。
セレモニーに先立ち、FJ-PPL日本側代表の高崎史彦・KEK理事の司会のもと、湯浅博士と関連の深い3人のゲストの講演がありました。博士の甥でありご自身も高エネルギー物理学の専門家である浅野侑三・筑波大学名誉教授は、博士から受けた影響の大きさや、その人柄の記憶について回想されました。湯浅博士がかつて教壇に立ったお茶の水女子大学からは羽入佐和子学長が出席し、日本の女性研究者についての考察や、女性の活躍に貢献する同大学のプログラムについて講演を行いました。女性研究者の環境問題への取り組みなどでもリーダー的活動を行ってきた坂東昌子・愛知大学名誉教授は、「物理と女性」と題し、物理学と女性の性格についてなどユニークな考察を交えた講演を行いました。
講演に続いて行われたセレモニーには、鈴木厚人・KEK機構長、Etienne Auge・仏国立核物理素粒子物理研究所副所長(科学担当)、Nicolas Alamanos・宇宙原理研究所副所長をはじめ、講演のゲストや日仏の関係者、女性研究者らが多数出席しました。日仏・女性・素粒子研究といったキーワードで繋がる参加者らは、お互い自己紹介や研究についての情報交換で盛り上がり、活気のあるセレモニーとなりました。
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浅野侑三・筑波大学名誉教授 |
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羽入佐和子・お茶の水女子大学学長 |
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坂東昌子・愛知大学名誉教授 |
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