for pulic for researcher English
topics
home news event library kids scientist site map search
>ホーム>ニュース >トピックス >この記事
last update:09/06/23  
2009年K中間子国際会議(KAON09)を開催
 
 
2009年K中間子国際会議(KAON09)が、つくば市の中心に位置するつくば国際会議場(エポカルつくば)で6月9日(火)から12日(金)まで開催されました。"KAON"はK中間子(Kaon、ケイオン) が崩壊する現象の物理と関連するトピックスのための国際会議シリーズで、数年おきに開催されます。K中間子の物理は、1964年にCP対称性の破れが中性のK中間子の崩壊過程で初めて観測されて以来、実験・理論の両面から活発に研究されています。(CP対称性の破れは後に、小林誠・益川敏英両博士による、クォークとレプトンの第三世代を予言する理論をもたらしました。)会議には、外国からの35名を含む69名の研究者が参加しました。全体セッションでは42の招待講演が、ポスターセッションでは12の論文が発表されました。さらに、J-PARC見学のバスツアーが11日(木)午後に行われました。
 
KAON09
会議は、林青司教授(神戸大学)とP.Boyle教授(エジンバラ大学)による基調講演で始まりました。林教授は、稲見武夫教授(中央大学)とともに1981年に行った、重いクォークがK中間子の稀な崩壊に及ぼす効果についての先駆的な研究(”稲見-林ループ関数”)について講演し、Boyle教授は、格子ゲージ理論の手法を用いたK中間子崩壊の最近の理論研究の全般について講演しました。会議では、CP対称性と時間反転対称性の破れ、カビボ-小林-益川行列、稀な崩壊、レプトン反応の普遍性、CPT対称性と量子力学の検証、格子ゲージ理論、カイラル対称性を基にした摂動理論、そして素粒子の標準模型を超える物理について議論しました。ヨーロッパ、米国、日本で行なわれているK中間子実験:フラスカッティでのKLOE実験とCERNでのNA48/NA62実験とプロトビーノでのISTRA+実験、BNLでのE949実験とフェルミラボでのKTeV実験、そしてKEKでのE391a実験からは最近の実験結果が報告されました。J-PARCでの新しい実験(KOTO実験、TREK実験)を含む、K中間子の物理の将来の可能性とそのための測定器・ビームラインの開発研究についても議論しました。会議の最後のセッションでは、「フレーバー物理の展望とK中間子崩壊の果たす役割」と題し、G. Colangelo教授(ベルン大学)と岡田安弘教授(KEK)が、K中間子を用いた標準模型の詳細な検証とそれを超える新しい物理の探索を総括する講演を行いました。
 
 
  関連リンク: KAON09のwebページ(英語)
http://kaon09.kek.jp/
 
 
image   image   image   image   image
    林青司教授
(神戸大学)
  P.Boyle教授
(エジンバラ大学)
  G. Colangelo教授
(ベルン大学)
  岡田安弘教授
(KEK)
 
 

copyright(c) 2009, HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION, KEK
〒305-0801 茨城県つくば市大穂1-1
proffice@kek.jpリンク・著作権お問合せ