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last update:09/08/12  
CERN Press Release PR13.0
 
LHCの2009-2010年運転開始時の初期ビームエネルギーは3.5TeVから
 
 
ジュネーブ発2009年8月6日:CERNは、今年11月のLHC運転開始時に、ビームあたり初期値3.5TeVで運転すると発表した。このニュースは、加速器の高電流の電気接続に関するすべてのテストが先週終了し、安全な運転のための修理が これ以上必要ないことが判明したことを受け発表されたもの。
 
ロルフ・ホイヤーCERN所長は、「スタート時は3.5 TeVで運転する。これによって、LHC運転員が加速器を安全に運転する経験を積むことが出来ると共に、実験で新しい発見領域を切り拓くことが出来る」と述べた。
 
2008年9月19日の事故でLHCが停止したのち、検査の焦点は、故障の発端となった高電流超伝導電気接続部を一万カ所にわたって調べることにあてられた。その接続部は超伝導線と安定化銅体の2つの部分で構成される。安定化銅体は、超伝導線が温まって超伝導状態を失う、いわゆるクエンチが起こった時に、 電流を運ぶ役割を果たす。通常の超伝導状態では接続部の電気抵抗は無視できるが、異常に高い抵抗がごく少数の超伝導線で見つかったため、修理を施したが、それでもなお安定化銅体の接続部の抵抗が、最高エネルギーでの安全な運転にとっては高すぎる値を示すものがいくつか見つかった。
 
最近の検査で、安定化銅体の抵抗が測定され、高い抵抗を示した安定化銅体の多くはすでに修理された。そして残った2つのセクターの検査も先週終了し、規格外の部分はないことがわかった。これにより、今年と来年の安全な運転に必要な修理が全て終了したといえる。
 
「(検査により)LHCは1年前に比べはるかに詳しく把握されている状態だ。我々は、冬から来年にかけて順調な運転が出来ることを確信し、期待している。」とホイヤー氏は述べた。
 
2009年の運転開始の順序としては、まずそれぞれの方向にビームを入射して保持し、次に数シフトだけ入射エネルギーで衝突を実現し、その後エネルギーを 上げ始める。最初の高エネルギー実験のデータは、2009年の最初のビームが入射されてから2−3週間後に出てくることになる。LHCは、十分なデータが 集められるまで3.5TeVのビームエネルギーで稼動し、その間に加速器運転チームは加速器の運転経験を蓄積することが出来る。その後、これらの経験をもとに、ビームエネルギーを5TeVに向けて上げる。2010年末に、LHCは鉛イオンビームで初めて運転を行い、さらにその後、運転を停止して、7TeVのビームエネルギーを達成するための作業が開始される予定だ。
 
CERNは内部向け週報で定期的にLHCの状態を発表しています。それらはCERN BulletinTwitterYouTube で閲覧可能である。
 
CERN広報室 ジェームズ・ギリーズ、Tel. +41 22 767 4101、Cell. : +41 76 487 4555
 
 
関連サイト: CERNプレスリリース(英語)
CERN Bulletin(英語)
CERN Twitter
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LHCアトラス実験
 
 

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