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last update:09/11/24  
LHCで最初の陽子陽子衝突事象を確認
 
 
スイス・ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)に建設した大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider:LHC)で23日、周長27kmの円形の加速器に再度ビームを周回させ、陽子と陽子の衝突事象を検出することに成功しました。LHCでは18日水曜日朝より再稼動の調整を進めており、21日より陽子ビーム周回運転を再開していました。
 
ロルフ・ホイヤーCERN所長は次のように述べています。「ビーム周回からわずかな時間でここまで達成できたことはじつに素晴らしい。しかし新しい物理の探索を始められるようになるまで、まだいくつかの課題があるので、作業をしっかりと進めていきたい。」
 
LHCでは2008年9月10日に最初のビーム周回に成功しましたが、その9日後に超伝導磁石が深刻な故障に見舞われました。一部の電気接続部の不良が深刻な損害をもたらしたもので、CERNはそのような事故が二度と起こらないよう、その後1年をかけLHCの修理と整備を行ってきました。
 
陽子ビームの衝突事象は22時22分(日本時間)にまずATLAS測定器で検出されました。その後ビームの調整を進めた結果、CMS、ALICE、LHCbの各測定器でもそれぞれ検出されました。
 
ATLAS実験代表者のファビオラ・ジァノッティ博士は以下のように述べています。「これは素晴らしいニュースです。20年にわたる国際協力で建設してきた、過去にない規模と複雑さを持った加速器と測定器によって、物理学の素晴らしい発見の可能性の時代が始まります。」
 
今回のビーム衝突は時計回りと反時計回りにそれぞれ450GeV(4千5百億電子ボルト)まで加速された陽子を正面衝突させることに成功したものです。CERNでは今後、ビーム強度を高めていき、クリスマスまでに1.2TeV(1兆2千億電子ボルト)のビームによる実験の開始を目指します。
 
LHC実験に関するツイッター(twitter)は www.twitter.com/cern にて。
 
 
関連サイト: Two circulating beams bring first collisions in the LHC(英語)
http://press.web.cern.ch/press/PressReleases/Releases2009/PR17.09E.html
日本語訳(PDF)
http://atlas.kek.jp/sub/CERN-LHC/PR17.09J.pdf
LHC First Beam(英語)
http://cern.ch/lhc-first-beam/
LHCアトラス実験
http://atlas.kek.jp/
 
 

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