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last update:10/02/10  
田村裕和東北大学教授、仁科記念賞を受賞
 
 
image   仁科記念財団は平成21年11月9日、田村裕和東北大学教授に仁科記念賞を授与することを決定しました。仁科記念賞は、日本の現代物理学に大きな功績を残した仁科芳雄博士を記念し、原子物理学の基礎とその応用の分野において優れた研究業績をあげた研究者を表彰するものです。1979年には小林誠(当時高エネルギー物理学研究所)・益川敏英(当時東京大学原子核研究所)両博士が、1987年には小柴昌俊博士(当時東京大学)が表彰されています。
 
田村氏は、1983年に東京大学理学部物理学科を卒業、その後、1988年東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了して理学博士を取得し、東京大学大学院理学研究科助手をへて1996年東北大学大学院理学研究科物理学専攻助教授、2004年から同教授に就いています。
 
田村氏は、大学院学生時代から高エネルギー物理学研究所(当時)の陽子シンクロトロンのビームを使って、ハイパー核(陽子・中性子以外にラムダ粒子等を含んだ原子核)を中心としたさまざまな原子核・素粒子実験を行ってきました。1998年にはハイパー核の特異な準位構造を決定するために、はじめて高エネルギー物理実験の分野にゲルマニウム検出器を導入し、ハイパー核が放出するガンマ線の精密測定の手法を確立しました。これによって、それまで1MeV程度であったハイパー核のエネルギー準位の分解能を数keVまで向上させることに成功し、ハイパー核の研究分野を大きく進展させました。田村氏らは、J-PARCにおいてハイパー核ガンマ線分光の研究をさらに発展させ、原子核内でラムダ粒子が受ける力やラムダ粒子の性質変化を解明しようとしています。
 
 
関連サイト:  ハイパーボール・プロジェクトのwebページ
http://lambda.phys.tohoku.ac.jp/~tamura/hyperball/index.html
ストレンジネス核物理グループのwebページ
http://lambda.phys.tohoku.ac.jp/strangeness/index-j.html
 
 
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田村氏らが開発したHyperballと呼ばれるハイパー核ガンマ線分光装置。   ハイパー核(ラムダ粒子が入ったリチウム核)のスペクトル。上段は従来の方法によるもの、下段はガンマ線分光によるもの。これまで分離できなかったエネルギー準位が500倍の分解能によって分離され、中段に示すような準位構造が解明された。
 
 

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