電子/陽電子ビームを「超伝導加速」するためのシステムで、超伝導体である「ニオブ」製の空洞を、絶対零度(273℃)に近い極低温まで冷やして超伝導状態にし、そこに高周波電力を入力して交番加速電界を発生させ、ビームを光速近くまで加速する。超伝導状態では、電気抵抗がほぼゼロになるため、非常に効率よく高周波電圧をかけ、加速できるのが特徴。
アジア、北米、欧州の3地域で協力して推進している次世代電子・陽電子衝突型加速器。ビッグバン直後の状態を再現することで、宇宙創成の謎を解き明かすことが目的。また、研究開発から生まれる様々な先端技術の波及効果にも大きな期待がかかっている。
粒子の「加速」とは、スピードの増加とエネルギーの増加、双方を意味する。加速器が一定の距離で粒子のエネルギーをどれだけ増加させられるかを「加速勾配」と呼び、加速勾配が高ければ高いほど、直線型加速器の長さを短くすることができる。