2010年9月28日
9月27日、江崎玲於奈賞、およびつくば賞・つくば奨励賞の授賞式がつくば国際会議場にて行われました。江崎玲於奈賞は国内の研究機関においてナノサイエンスあるいはナノテクノロジーに関する研究を対象とし、(財)茨城県科学技術振興財団、つくばサイエンス・アカデミーが主催しているものです。
第7回となる今年は、自己組織化によるナノ構造物質創成の先駆的研究で東京大学大学院工学研究科・応用化学専攻の藤田誠(ふじた まこと)教授が受賞されました。自然界ではDNAがひとりでに相手の鎖と二重らせん構造を作るように、複雑な高次構造が自発的に生成します。藤田教授は、このしくみを利用して、人工的に分子の集合体を自発的に構築させる研究に長年取り組んでいます。そしてそれらの構造体の構造解析には、KEK放射光科学研究施設(フォトンファクトリー)が重要な役割を果たしています。
本研究の解説は過去News@KEKでも紹介されています。特に、人工的に作った分子では世界最大級の72個の構成成分から成る球状物質は国際的に注目を集め、今回の受賞にもつながりました。