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【高校生等実習受入事業】各地から高校生がKEKを訪問

2010年8月11日

image 「高校生等実習受入事業」とは、学校では体験しがたい研究の現場を肌で感じとるとともに、ものつくりなどの体験から自然科学への興味をもつきっかけとなることを目的として実施しているもので、中学・高校生を対象にKEKの職員による講義や実習指導などを行う制度です。夏休みに入ったこともあり、日本各地から高校生がKEKを続々と訪れています。高校生らは、KEKB加速器のトンネルやBelle測定器などを見学した後、肉眼で放射線を観察することができる装置「霧箱」などを製作しました。また、「素粒子の話」や「研究者への道」などの講義を聞いたりしました。

image 7月23日(金)千葉市立千葉高校の1年生 40名がKEKを訪れました。参加した生徒らは「普通は写真でしか見られない場所を生で見ることができたことが感動的でした」「科学がとても面白いものに感じられました。新しい加速器を設計してみたいです」などと感想を述べていました。霧箱製作を終えた生徒は「小さすぎて見えないものを、短い時間で見えるようにできたことがすごかったです」などと、見えない世界が見えるようになる不思議に感動していました。

image 7月28日(水)は、岩手県立水沢高等学校の2年生25名が来訪しました。「地下の研究施設だと、薄暗くてほこりっぽいイメージだったのですが、きれいで明るいのでびっくりしました」「加速器の巨大さを、身をもって体験できました」と初めて見る加速器に驚いていました。また、「これからの進路意識や課題研究に取り組む意欲が大きく高まりました」「自分もこういった所で学んでみたいと思いました」などと、今回の実習で理工学系への進学に興味を持った生徒も多かったようです。

image 7月29日(木)には、栃木県立宇都宮女子高等学校の2年生16名が来訪しました。物理は「今まで興味を持てなかった分野」と述べる生徒が比較的多かったのですが、KEK訪問後には「説明もわかりやすくて話が面白かったので、すごく興味が持てました」と述べる生徒や、「興味が深まり、進路の候補にもなりました」「工学系に進むのも面白いかな、と思いました」と、女性科学者としての将来を描く生徒も増えたようです。

image 7月30日(金)には、大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎の1年生14名、2年生2名が来訪しました。今回はこれまでの霧箱に代わり、光の電磁波スペクトルを測定する装置である「分光器」を製作しました。「分光器がうまく作れてうれしかったし、仕組みもよくわかりました」など、光についての理解を深めたようです。また「"高校レベルでは難しい"と言われることが多いのは悔しかったので、もっと勉強しようと思いました」と勉強への意欲も刺激されたようです。

image 8月5日(木)には、愛知県立岡崎北高等学校の2年生38名が訪れました。「見えない世界のほうが多いことがわかりました」「クォークとかニュートリノとか何となく名前を聞いたことがあるものから、今日ひとつの知識になってよかったです。目に見えないものをどうしてあんなに操れるのかと思うと、もっと知りたいと思いました」と述べる生徒も多く、目に見えない世界の研究に興味を持ったようです。

KEKでは、毎年実習を希望する中学校・高校を募集しており、今年度は12校がKEKを訪問します。なお、平成23年度の募集については1月からご案内を開始する予定です。