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J-PARCでのハドロン原子核物理に理論、実験、計算科学の研究者が集う

2011年6月27日

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6月10日〜11日にKEKの小林ホールで「J-PARCで展開されるハドロン原子核物理」研究会が開催され、京都大学、福岡教育大学、岐阜大学、理化学研究所、大阪電通大学、北海道大学、岩手大学、日本原子力研究開発機構(JAEA)、筑波大学などから素粒子、ハドロン、原子核の研究者88人が参加しました。

J-PARCはKEKとJAEAが共同で運営する研究施設で、2009年から中性子、ミュー粒子、ハドロン、ニュートリノを用いた世界最先端の実験を開始しました。しかし東日本大震災で被害を受け、現在は施設の運転や実験を中断しており、年内の運転再開、年度内の共同利用実験再開を目指して復旧・整備を進めています。研究会ではJ-PARCハドロン実験施設で展開される物理学について、理論、実験、計算科学に関わる研究者が、連携を図り研究を効果的に進めるための議論を行いました。

連携のテーマのひとつに、ストレンジクォークを含む粒子が入った原子核の性質の解明があります。J-PARCにおけるハドロン実験と理論による解明に加え、計算科学の手法である格子QCDによる計算によって、クォーク3つからなるバリオン間の相互作用の研究が議論されました。2012年度から本格運用が始まる京速コンピュータ「京(けい)」を用いての核力の計算の進展も議論されました。