2011年7月5日
株式会社東芝の水牧祥一氏が「第15回超伝導科学技術賞」を受賞され、6月24日(金)に、タワーホール船堀(東京都江戸川区)で表彰式が行われました。水牧氏は、KEKがキャンパスとなっている総合研究大学院大学(総研大)の高エネルギー加速器科学研究科で社会人学生として3年間、超伝導に関する研究を重ね博士号を取得しました。
今回の受賞対象となった技術開発・研究テーマは「先進的プラズマ実験装置用高温超伝導磁石の開発」で、超伝導磁石技術を駆使して磁気浮上させた超伝導磁石による磁場で天体磁気圏構造をつくりだし、本格的な磁気浮上システムでのプラズマ生成に世界で初めて成功しました。この研究は、東京大学で行われた磁気圏型プラズマの研究・開発(常伝導コイルのProto-RT と超伝導コイルのMini-RT)を発展させたもので、水牧氏は東芝と東京大学による共同開発を主担当し、この技術開発を成功に導きました。
超伝導科学技術賞は、社団法人 未踏科学協会の超伝導科学技術研究会が創設した、超伝導に関係する分野で卓越した研究成果をあげた研究者を顕彰するもので、基礎研究において世界的なインパクトを与えた研究者、応用開発において、マイルスト-ンとなる高度な技術進展に寄与した研究者、または研究開発あるいは国内国際交流において、斯界分野の振興に大きな役割を果たした研究者に授与されます。
水牧氏の受入れ教員であった山本明KEK超伝導低温工学センター長は「総研大出身の方がその積み重ねをバネとして、素晴らしい活躍をして頂いていることを、私自身大変嬉しく、このような方の研究開発の礎に、微力ながら支えとなれたことを、光栄に思っています」と語りました。山本氏自身も、同賞を昨年受賞しています。