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last update:06/08/31  

   image 若者が主人公    2006.8.31
 
        〜 原子核三者若手夏の学校 〜
 
 
  どんな学問分野でも新しい着想や粘り強い実験を押し進める原動力は若い世代の研究者の意欲からもたらされます。日本では「素粒子」「原子核」「高エネルギー」の3つの分野の大学院生が1年に1度、自主的に集まってお互いの研究の発表や交流を深める、という行事が伝統的に続けられています。大学院生が企画して自分たち自身で運営する勉強会の様子をご紹介しましょう。

原子核三者若手夏の学校とは

原子核三者若手夏の学校とは、毎年8月頃に素粒子・原子核・高エネルギーの物理学を研究している大学院生が集まり、お互いの研究発表や交流を深めるために行われているもので、今回で52回を数える伝統のある会です。今年は、長野県飯山市にある、パノラマランド木島平で8月5日から9日まで開催され、全パート合わせて約300人が参加しました。

高エネルギーパートのテーマは「復活」

なぜこのようなテーマなのかというと、実は今年の夏の学校に高エネルギーパートは参加しない予定だったのです。というのは、高エネルギーパートの参加者は、ここ10年以上減少し続け、ついに昨年には休止の議論が起こり、「高エネルギーパートは夏の学校に参加しない」ということにいったんは決まっていたのです。しかし、このような交流や研究の機会を失うのは非常に惜しいので、東京大学素粒子物理国際研究センター(ICEPP)の学生が中心となり、多くの大学に参加を呼びかけた結果、10大学から30人を超える参加者を集めることができ、高エネルギーパートが夏の学校への復活を果たすことが無事できました。

講義での大議論

夏の学校では、主に各分野の一線で活躍する研究者を招いての講義や、学生による研究発表が行われます。今回は三者全体の共通講義として、KEKの萩原薫先生、高エネルギーパートの講義として、東北大学の白井淳平先生と岡山大学の田中礼三郎先生をお招きしました。

萩原先生の講義では、LHCの物理というタイトルで、今期待されているTeV領域の物理が理論からどのように要請されるものなのか?ということをわかりやすく解説していただきました。

白井先生、田中先生は高エネルギーパートの担当ということで、それぞれカムランドとATLAS実験について、私たち高エネルギーパートの学生に不可欠な知識である検出器や、加速器の話を中心に、その検出器などを用いてどのような物理に対してアプローチをしているのか?ということを講義していただきました。

講義だからといって、先生が話しているだけでなく、学生からも多くの質問や、意見が出され、議論になることもしばしばあり、非常に充実した講義の時間を過ごすことができました。

リラックスした議論の場

研究会では、自分の研究を参加者の方から発表していただきました。学会などの場と大きく違うところは、聞いている人がほとんど学生だということです。学生にとってこれはものすごく大きなことで、質問もしやすく、とことん納得がいくまで議論をすることが出来ました。また、発表者も自分の研究の苦労話、裏話などのエピソードを交えながら、深い議論があるにもかかわらず、非常にリラックスした、楽しい雰囲気の中で発表会を行うことができました。

交流もお忘れなく

今回は三者全体の企画としてスポーツ大会があり、キックベースが行われました。多くの人が参加したこともあって、大いに盛り上がり、高エネルギーパートの人だけでなく、ほかのパートの人たちともより親密な関係が築けました。

また、講義や研究会が終わった後には、講師を囲む会や懇親会があり、講師の先生や、多くの友人たちとお酒を交えて様々な話をすることができました。

もっと夏の学校を盛り上げよう

今回の夏の学校で残念だったことは、せっかく三者が集まっているにも関わらず、三者が一同に研究会を行ったりする機会がなく、他パートの発表を聞く機会が少なかったことです。この点に関して、高エネルギーパートは、「三者合同研究会などを行いたい」という提案を出しました。

また、今年度の夏の学校では、高エネルギーパートからも30人以上の参加者が集まったものの、他のパートに比べるとまだ少ないのが現状です。原因としては、高エネルギーの関係者の中で、夏の学校の存在自体の認知度が低いことが挙げられます。今年集まった学生ですら、殆どの人が存在すら知らなかった状況でした。今回参加した人をはじめ、より多くの人にこの夏の学校を知ってもらい、参加者を増やして盛り上げていきたいと考えています。

(桑原隆志、兼田充:東京大学素粒子物理国際研究センター)


※もっと詳しい情報をお知りになりたい方へ

→原子核三者若手夏の学校のwebページ
  http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~sansha06/index.html
→高エネルギーパートのwebページ
  http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~kaneda/sannsya/

 
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[図1]
講師と熱心に議論する大学院生。
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[図2]
研究会では自分の研究について発表する。
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[図3]
研究会の様子。
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[図4]
講義や研究発表の合間にはスポーツ大会を開いて心身のリフレッシュと他大学の大学院生との交流を深める。
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[図5]
なごやかな懇親会の様子。
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[図6]
今年の夏の学校に参加した高エネルギーパートの大学院生と講師。
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