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KEK寄附金

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高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、寄附金事業を推進しています。

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vol.1 ツジ電子株式会社

 代表取締役 植松 弘之 様,  取締役会長 辻 信行 様


ツジ電子株式会社、ならびに個人としての辻会長および植松社長には、本機構が寄附金事業を本格的に立ち上げた2016年度以来、多大のご支援をいただいております。それにより、法人としてのツジ電子株式会社は貢献会員の称号を、更に辻会長は特別貢献会員、植松社長は賛助会員の称号を贈呈させていただきました。加えて、今年度に入り、同社製品の現物寄贈によるご寄附も頂戴致しました。この度は、新企画「寄附者インタビュー」の第1回目という事で辻会長および植松社長から色々とお話を伺いました。


写真/ 植松社長(左)、機構長(中央)、辻会長(右)



一緒にアイデアを出し合って一つのものを作り上げる 



KEK 貴社が創業された頃についてお聞かせください。

辻会長 当社が1977年(昭和52年)に創業して間もなく、新設された放射光実験施設(PF)向けにKEKから頂戴した仕事が、当社とKEKの長いお付き合いの原点となりました。KEKからご覧になると、地元で融通を利かして研究者と一緒に努力してくれる業者が見つかったと思って頂けたのではないかと思っています。研究所とのお付き合いが始まった当初は、何でもできる会社であると自負していたのですが、実際に仕事でのやり取りが始まると経験不足を思い知らされました。しかし、多数の研究者の方々と一緒に考え、試行錯誤しながら開発を進めるという、得難い経験をさせていただきました。

KEK 貴社の創業間もない頃に深く関わっていたのがPFであったということですね。

辻会長 そうですね、PFを運転・維持していくための電子装置を次々とご注文いただき、人を増やし場所を拡張していきました。KEKとの取引を開始できて2-3年が過ぎた頃、「都度の特注ではなくカタログに基づく注文はできないのか」との質問をある研究者の方から頂戴し、現在に続くカタログ品の販売も開始しました。16チャンネルのステッピングモーターコントローラーはまさにその例で、「製品開発が完了しカタログ化された暁には2台買います」との、嬉しい予約を頂戴したことを覚えています。その際も、関係したKEKの研究者の方々は設計プランを親身になって考えてくださいました。製品というものは私どもが創ったように思われますが、お客様のアイデアが詰まっています。そのアイデアに可能な限りお応えできるよう、アイデアを形にしていくことが当社の役割です。
また、当社の経営理念には「科学技術の発展をサポートする」ことが謳われており、お世話になって参りましたKEKに対し、この理念を何らかの形で表現できれば、という想いがありましたので、寄附金募集が開始されたことを機会に支援をさせていただきました。





KEK KEKとの思い出のお話を有り難うございました。辻会長や、今は幹部やベテランとなっているKEK研究者たちが若かりし頃、科学技術の発展を共に目指し、生き生きと活動的に一緒に仕事をしておられた光景が目に浮かぶようです。

植松社長  KEKの方々はとてもフレンドリーなので、一緒にアイデアを出し合って一つのものを作り上げるということで、仕事を楽しんでやらせていただいております。
当社は、専門の営業部門は持たず、お客様からの依頼に応じてエンジニアが出向き、設計仕様など技術的な打合せから見積書の作成まで全て包括的に対応するという態勢になっています。その方が話も早く、お客様から好評をいただいています。また、製品が故障した際は、どのように古いものでも図面を保存しておりますので、スムーズにメンテナンスを行うことができ、アフターケアは万全です。また、そのような文化を社内で若手に継承してきていますので、どのような古い製品でも安心して長く使用して頂くことができます。

KEK ユーザーと直結して話ができるという態勢は大切ですね。KEK研究者とのコンタクト窓口となるエンジニアの方々は、プロセスや製品を全て理解されており、研究者も心強いと思います。それに、無期限メンテナンスというコンセプトにはとても安心感があります。

辻会長 私どもにとっては無期限が当たり前と思っていました。特に、大型の加速器の運転や実験が全て完了するまでは長い年月を要します。そこで、製品の保証に期限などあればあっという間にその期限が過ぎてしまいます。

植松社長 古い製品の場合、当初使用した部品が製造中止になるケースもありますが、独自開発の製品ですので、同等の機能を持つ代替部品を探して装着するなどの方策によりメンテナンスを行っています。お客様を見放すことは一切有りません。





KEK 先ほど経営理念にも触れておられましたが、貴社の社是についてお伺いしてよろしいでしょうか。

辻会長 経営理念を正式に掲げたのは弊社の創業30周年記念の時ですが、創業10年目くらいにはこの理念に基づく経営をしておりました。振り返れば、エレクトロニクスを利用してくださるお客様のために技術を提供する、ということをどのように表現すれば良いのかを考え抜いた末に、社内の研究開発現場に向けてこのような文言を掲げました。

植松社長 当社の製品は、特定分野の特注品が主体になっていますが、分野によっては特注品よりもカタログ品が中心になる場合もあります。研究者によっては、カタログ品だけでは実験がうまく運ばないという声も頂戴しますので、その場合はカタログ品をベースとしてオリジナリティをもって研究者とともに製品を開発していきます。

KEK カタログ品から出発し、研究者との会話を通じて特注品のような形に仕上げていくということですね。

植松社長 まさにそのとおりです。当社はカタログ品しか提供できない、ということでは全くありません。ユーザーと会話を続けさせていただきながら、カタログ品にちょっとした変更や、様々な新しい要素を取り入れることにより、ユーザーのニーズに応える特注品を製造できるメーカーであるという事をご理解いただき、ユーザーと共に製品開発を進めていくことこそが当社にとっての喜びです。

辻会長 カタログ品は標準装備ですが、カタログ品から出発して様々な要望や注文を頂くことは常に大歓迎です。

KEK 企業とKEKが連携し一緒にモノづくりをするということで、さらに交流が深まると良いですね。今後KEKに期待しておられる点について教えてください。

植松社長  お客様のほうも我々を使うのが上手な方と苦手な方がいるようにこちらから見える事がございます。従い、当社と研究者の中間に、仕事の中身をかみ砕いてくださるような担当の方がいらっしゃると、仕事を一層スムーズに進められるのではないかと思います。そのように、中小の業者と研究者の間で仲介・調整機能を果たして頂ける方や組織がKEKに有っても良いのかな、と思えます。

KEK 残念ながら今でもKEKは少し敷居が高いという声を聞いたことがあります。今年4月からオープンイノベーション推進部が立ち上がり、機構全体の産学連携を促進しています。貴社も含めこれからも様々な形で企業との連携を進めていきたいと考えております。

本日はお忙しい中、大変有り難うございました。


辻会長とKEKの思い出話は尽きないようで、とても楽しそうに語っていただきました。いつも穏やかな表情でにこやかに応答してくださる会長からは時々パワフルな感情が見え隠れします。
ユーザーと共に製品を開発していくというプロ意識が垣間見え、研究開発を高度なエレクトロニクス技術で支えるという経営理念を大切にされているツジ電子株式会社の在り方がとてもよく理解できました。
また、植松社長からの、中小企業が参入しやすいインターフェイス組織が望まれるとのお話も、産学連携を強化するうえで貴重なご意見です。
本日は、KEKと一緒に未来を創っていく会社としてツジ電子株式会社から様々なお話を伺うことができました。

ツジ電子株式会社



〒300-0013 茨城県土浦市神立町3739

TEL.029-832-3031 (代)

FAX.029-832-2662

E-mail: info2@tsuji-denshi.co.jp




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