秋の実習について

課題一覧

[つくばキャンパス(PF/PF-AR)]

M01「ナノ粒子を作って、“見て”みよう」(AR-NW10A)

夏の演習期間中に作成したナノ粒子のXAFS測定を、PF-AR NW10Aで行う。得られたデータを解析し、ナノ粒子の構造等について議論する。

M02「パルスX線を使ってナノ粒子が膨張・収縮運動する様子を観測しよう」
(AR-NW14A)

ナノ粒子に光を照射することで周期振動を持った格子振動を励起し、ピコ秒(一兆分の一秒)の時間スケールで実際に格子が膨張・伸縮する様子をパルスX線によって観測する。

M03「タンパク質の形を見てみよう」(AR-NW12A)

秋の実習では、実際に加速器から発生するX線を用いて、夏の実習中に自身が作成したタンパク質結晶からの回折データ収集および構造解析を行う。

M04「脂質の形・構造・相転移」(BL-6A)

放射光を用いたX線小角散乱(及び高角散乱同時測定)により、脂質の構造の変化を調べる。「演習1 チョコレート油脂の多形転移と品質制御」 では、ココアバターの温度変化に伴う多形転移の様子を明らかにする。「演習2 リン脂質ベシクルによるモデル細胞膜の構築」では、リン脂質の 温度変化や溶液条件によるラメラ構造の違いを確認し、リン脂質膜間の相互作用について考察する。

 

東海キャンパス (J-PARC MLF)]

M05「結晶構造と物質の性質」(BL-08)

秋の実習ではJ-PARCにある中性子実験施設でMnOの低温粉末回折実験を行う。夏に行ったX線の回折実験との違いは何か。そもそもX線は電子によって散乱されるが中性子は原子核によって散乱される。しかし、もう一つ大きな違いは中性子はスピンによっても散乱されるということがあげられる。今回は中性子を使った回折実験から磁気構造を決め、夏の実習で測定した磁化率やX線回折と比較することで、MnOのスピン状態を調べ、結晶構造-磁化率に加え磁気構造を明らかにする。

M06「高温超伝導体のミュオンスピン緩和を測定してみよう」(D1)

夏の演習期間中に作成した高温超伝導体YBCOのミュオンスピン緩和(μSR)測定をやってみましょう。J-PARC MLFのD1実験エリアでμSR分光器を使います。特に超伝導組成と磁性体組成の差を試料内の孤立プローブスピンの緩和と言う視点で調べてもらいます。時間があれば、ミュオニウム(電子ー正ミュオン束縛系)を生成するような試料も測定できます。