平成19年度高エネルギー加速器研究機構
大型シミュレーション研究公募要項


本研究機構のスーパーコンピュータを利用して行う、次の二種類の研究 (以下「大型シミュレーション研究」という)について、 研究課題を以下のとおり公募します。

1.応募資格

共同研究の研究責任者は本機構の研究者であること。

共同利用の研究責任者は、次のいずれかの条件をみたすこと。 国立、公立及び私立大学、国立、公立研究所等の研究機関の研究 者又はこれらに準ずる研究者。 あるいは、科学研究費補助金の申請資格を有する機関に所属する研 究者で、研究成果を無償で社会に還元することを主目的とする研究の場合。

2.研究対象期間

平成19年4月1日 〜 平成20年3月31日

なお、年度後半を研究対象期間とする、第二次募集を行う予定です。

3.申請方法

(1) 研究責任者は以下の書類を作成し、機構長へ1部提出してください。

申請書の記入に際しては、 「大型シミュレーション研究申請書記入上の注意事項」 を参照してください。

(2) 申請に当たり、研究課題、研究内容等については、必ず事前に後述「15」の 研究担当者と打合せをしてください。

4.申請書提出期限

平成19年2月23日(金)必着

5.選考

申請課題は、大型シミュレーション研究審査委員会で審査され、採否が決定され ます。

以下に関連する研究テーマについては、平成19年度の重点分野として考慮されま す。

  1. 格子ゲージ理論の大規模シミュレーションとその素粒子現象論への応用
  2. 数値シミュレーションを用いたエキゾティックな原子核・ハドロン系の構造研究
  3. 大型加速器の開発および運転にかかわる大規模シミュレーション
審査に当たって、大型シミュレーション研究審査委員会は、必要に応じて研究責 任者に説明を求めることがあります。

なお、審査においては、別項に付記する「公募審査のガイドライン」 を設けております。

6.審査結果

採否の結果については、機構長から研究責任者に通知します。

7.利用手続き

採択された研究課題の研究責任者は、研究に参加する者(以下「共同研究者」と いう)全員の「承諾書」を添えて「承諾書(兼)ユーザー登録届」及び「誓約書」 を速やかに提出してください。

8.利用について

実行性能が十分発揮できないジョブについては、プログラムの 改善等を求めることがあります。

CPU 資源以外の資源の利用に関しては、システムの利用の状況にあわせて制限さ れることがあります。

9.便宜供与

研究責任者及び共同研究者は、大型シミュレーション研究を推進するために必要 とする研究機構の施設、設備及び文献その他資料等を可能な範囲で利用すること ができます。

10.宿泊施設

本研究機構の宿泊施設を可能な範囲で利用することができます。

11.旅 費

研究責任者及び共同研究者に対して、予算の範囲内で可能な旅費が支給されます。

12.成果報告

研究責任者は、平成20年4月末までに「研究成果報告書」 を機構長に提出してください。

13.論文等の提出

研究成果を公表するときは、当該論文、報告書等に本研究機構の大型シミュレー ション研究の成果である旨を明記してください。

(例文)

This work is supported by the Large Scale Simulation Program No.・・・ (FY2007) of High Energy Accelerator Research Organization (KEK).

なお、作成された論文等は平成19年度研究成果報告書提出時に機構長 に1部送付してください。

14.知的財産権の帰属

本研究機構の大型シミュレーション研究により得られた知的財産権の帰属につい ては、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構知的財産取扱規程に基 づき、その都度協議することになります。

15.大型シミュレーション研究担当者

素粒子原子核研究所に関係する共同研究・共同利用分野
橋本 省二 素粒子原子核研究所 029-864-5397
      助教授 Email: shoji.hashimoto[at]kek.jp
物質構造科学研究所に関係する共同研究分野
岩野 薫  物質構造科学研究所 029-864-5593
      助手  Email: kaoru.iwano[at]kek.jp
加速器研究施設に関係する共同研究分野
加藤 隆夫 加速器研究施設 029-864-5217
      教授  Email: takao.kato[at]kek.jp
共通基盤研究施設に関係する共同研究分野
松古 栄夫 計算科学センター 029-864-5475
      助手  Email: hideo.matsufuru[at]kek.jp

新規に申請する場合には、必ず研究担当者と打ち合わせて下さい。
(メールアドレスは [at]を@に置き直して下さい。)

15.申請書提出先

高エネルギー加速器研究機構
総務部 研究協力課 共同利用係 029-864-5126

電子メールにて、kyodo1[at]mail.kek.jp ([at]は@に変換) に送付して下さい。


システムの概要

平成18年3月から運用のスーパーコンピュータシステムは、システムAとBの二つ の計算サーバから構成されます。

プログラミング言語としてFortran90、C言語及びC++言語が使用可能です。また ノード間の並列化のためには、MPIを使ったプログラムが必要です。運用されて いるジョブグループ(いくつかのジョブクラスをまとめたもの)について以下に示 します。

システムA

ジョブグループ ノード数 ジョブクラス数制限時間
1ノードジョブ(テスト用)   1  1 5分
1ノードジョブ   1  8 30分、2、4、8時間
4ノードジョブ   4  2 4時間

システムB

ジョブグループ ノード数 ジョブクラス数制限時間
32ノードジョブ(テスト用)   32  1 10分
32ノードジョブ   32  3 4時間
128ノードジョブ   128  3 8時間
512ノードジョブ   512  9 12時間
1024ノードジョブ   1024  5 12時間

実行性能を十分発揮できないジョブについては、プログラムの改善等を求めるこ とがあります。



公募審査のガイドライン

大型シミュレーション研究の公募内容の審査にあたっては、 学術的な内容およびプログラミング・チューニングに 関する評価に加えて、以下のように研究体制に関しても評価の 上審査致しますのでご留意下さい。

グループ研究体制についてのガイドライン

大型シミュレーション研究に申請される研究計画では、 以下の条件が満たされている必要があります。

(1) 申請を行ったグループが主体となって研究を行うこと。 特に申請責任者は、研究の計画、実行において指導的役割を果たすこと。

(2) 他のコラボレーションとの共同研究の場合には、その共同研究全体の中での、 当該申請グループの果たす役割と、大型シミュレーション研究の枠内で行う 計算の位置付けを明確にすること。

主体性が低いと判断される場合には、採択を見送る場合があります。 また、申請内容と著しく異なる状態が認められる場合には、 利用の中止および審査委員会等による事情聴取を含む措置を取る場合が あります。


テスト申請について

大型シミュレーション研究では、次回に公募することを前提に随時 テスト申請を受け付けることになっております。 本機構の公募要領に沿ったものであれば、以下の時間を割り当てます。

システム ジョブクラス   時間
  A     1 node  100 時間 
  B    32 node  100 時間 
  B   128 node  100 時間 

特別申請について

本運用期間中に申請時の研究計画を越えた、新しい知見を得られる 緊急研究が必要な場合に限り、特別申請を可能とします。