What's New
動画はこちら
記事はこちら
活動報告を更新→こちら
記事はこちら
活動報告を更新→こちら
記事はこちら
Outline
KEKは、「KEKアーティスト・イン・レジデンス2025(KEK AiR 2025)」を開催します。本プログラムは、アーティストが一定期間KEKに滞在し、研究者や学生と交流しながら創作活動を行う取り組みです。
つくば市が隔年で開催する「つくばサイエンスハッカソン2025」の一環として実施されます。科学の最前線で行われる研究と芸術の融合を通じて、新たなインスピレーションを得ることを目的としています。今回、つくば市の委嘱を受けたアートユニット「片岡純也+岩竹理恵」の両氏が参加し、「宇宙」をテーマに作品を制作します。
片岡氏と岩竹氏は、4月18日(金)から約1カ月間、KEKに滞在し、科学者や学生との対話を通じて創作を進めます。滞在期間中に得た着想をもとに、滞在終了後は自身のアトリエで作品を完成させます。
完成した作品は、8月1日(金)~11日(月・祝)に開催される「つくばメディアアートフェスティバル2025」(会場:つくば美術館)で展示され、その後8月14日(木)~20日(水)、大阪・関西万博の内閣府・文部科学省主催の企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」でも展示されます。
片岡氏と岩竹氏はともに2010年、筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻を修了。2013年のパリでのレジデンスを機に、アートユニットとしてインスタレーションの制作を始めました。日常のささやかな出来事をシンプルな現象で再現するキネティック作品と、印刷物などから想像や類推でイメージを展開させていく平面作品を組み合わせた空間構成が特徴的で、素材や図案の出会いに物語を生み個々の作品の題材がゆるやかに響きあう手法を使うユニットです。
なお、本事業の一部は、KEKの未来基金事業の支援を受けて実施されます。
ともに2010年、筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻を修了。2013年のパリでのレジデンスを機に、アートユニットとしてインスタレーションの制作を始める。日常のささやかな出来事をシンプルな現象で再現するキネティック作品と、印刷物などから想像や類推でイメージを展開させていく平面作品を組み合わせた空間構成が特徴的で、素材や図案の出会いに物語を生み個々の作品の題材がゆるやかに響きあう手法を使う。重力と素材のための図鑑 (2024 / 神奈川県立近代美術館鎌倉別館)、瀬戸内国際芸術祭2022、MOTアニュアル2020(東京都現代美術館)、BankART Under35(2017 / BankART NYK)など。
Key Dates & Events
トークショー&交流会(KEK関係者のみ) 4月18日(金) 17:30~19:30(KEK構内)
KEKにアーティストが滞在する——この試みは、お互いにどのような発想を生み出すのか?トークショーでは、アートユニット「片岡純也+岩竹理恵」のこれまでの作品を紹介するほか、「創造性・想像力・探求心」や作品作りの試行錯誤など語ってもらいます。
ミニ個展 (一般参加可能) 4月19日(土)、4月23日(水)~5月9日(金)11:00~14:00(KEK構内)(ただし27日、29日、5月4〜6日は休み)
過去作品を展示予定です(4月19日はKEK春のキャンパス公開内で実施)。
ゲート左側の建物「国際交流センター」からお入りください。KEKコミュニケーションプラザの手前を左に曲がり、建物を出ます。左手にミニ個展会場がございます。
研究者、学生との対話セッション(KEK関係者のみ)
「片岡純也+岩竹理恵」の両氏と研究者の対話セッションを複数回実施。相互の専門分野について議論し、知識を深めます。施設見学も行います。
ワークショップ『やじろぐ枝』(KEK関係者のみ)5月8日(木)(KEK構内)
片岡さんの作品《やじろぐ枝》を題材として、ヤジロベエの原理を用いた作品づくりを行い、研究者や学生に向けて芸術的アプローチや思考方法を共有します。
クロージングイベント(KEK関係者のみ)5月16日(金)(KEK構内)
AiRを通じた作品構想の紹介などを行います。
Activity
極低温でも動作する量子コンピュータ用回路(クライオCMOS)の開発も進められています。 2mm四方に9層の構造を持つこの回路は、対称性と整然とした美しさがなければ動きません。 回路設計には、まさに美的センスが不可欠。 その緻密で繊細な構造に、芸術家のお二人も思わず声をあげていました
宇宙よりも低い温度に挑む!「極低温ヘリウム冷凍機」の開発現場を訪問。 冷凍機内部では、絶対温度でも凍らないヘリウムが量子流体となり、乱流が生まれます。 その構造はカオスでありながら、まるで芸術作品のような美しさがあるんです。 この「乱流」は再現が極めて難しい現象です。ところが、ゴッホはそれを筆一本で描いていたのです! ゴッホの「星月夜」の渦を解析した論文が発表され科学と芸術の意外な接点として注目を集めています。
多くのみなさんにお越しくださいましてありがとうございました。昼休みに職員が眺めていたり、機構外からもこのために見学に来てくださったりと、連日賑わいました。
4月18日に行ったトークショーのアーカイブ動画をYouTubeに公開しました。 動画はこちら
「図面には物語があるんです」。 アーティストがKEKに残る過去の図面を見学した際、研究者が発した言葉です。 当時の研究者たちの思考やセンスが感じられる一枚一枚に、静かに心を動かされていました。
K2K実験では、KEKから250km離れた岐阜県飛騨市のスーパーカミオカンデにニュートリノを打ち込んで性質を調べました。研究はT2K(Tokai to Kamioka)実験に引き継がれています。 アーティストは、神岡に向けてニュートリノを送り出す前に通る「前置検出器」が設置された竪穴を、感慨深げに覗き込んでいました。 変色した壁や床に並ぶ部品を静かに眺めながら、かつての研究の営みに思いをはせていました。
周長3kmのトンネルの一部を歩きました。無数に並ぶ機器をアーティストは興味深そうに眺めていました。 前身のKEKB加速器が世界一の衝突性能を誇ったストーリーや、この巨大実験を支えるチームワークの大切さに、深く頷く姿も。 電子と陽電子をほぼ光の速さまで加速して衝突させるSuperKEKB。科学とアートが出会ったとき、どんな“衝突”が起きるのか——実験の結果が楽しみです。
「電子・陽電子線形加速器」では自然界には存在しない「陽電子」を作り出しSuperKEKB加速器に供給しています。陽電子が作られるしくみにも、その装置にも興味津々でした。 岩竹さんは、加速器のパーツの一つである「電磁石」の色に注目。錆止めのために塗料が塗られていますが、色に指定はなく、設計者が決めることもあるそう。この日案内してくれた飯田さんが決めたピンク色の電磁石もありました。
KEKで使われなくなった部品などを作品に使えることに。その様子は、さながら宝探し! 奇妙な形のパイプ、街のような基盤、無数のケーブル… 科学の現場から生まれた“お宝”を前に、アーティストの2人は作品の構想を練りながら、素材をじっくり選んでいました。 ここからどんな作品が生まれるのでしょうか?
最先端の検出器開発の現場を見学。ヨーロッパのCERNにある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で行われている「ATLAS実験」のアップグレードのための半導体検出器です。センサーの微細な構造や加工技術に驚いていました。 実験でわかる物理の解説にも、質問をしながら興味深く耳を傾けていました。
職員と片岡さんとの雑談から「片岡さんのキネティック作品(動きのある作品)を数式にしてみてください」というチャレンジが始まりました! 研究者も、作品を眺めながら頭を捻ります。どんな数式が描かれるのでしょうか?
実験ホールの中の一角で最先端技術を用いて検出器の開発が行われています。 「小さな方位磁針」とも言えるミュー粒子の性質を精密に測ることで、未知の粒子の存在に迫る壮大な実験が進められています。#J_PARC では、2024年にミュー粒子の冷却・加速に世界で初めて成功!物理の限界に挑んでいます。 実験室の装置に興味津々の様子でした。
誕生した頃の熱い宇宙を見るために、超「冷たい」センサーを使って実験をしている「実験的宇宙物理研究グループ」の研究者と交流。開発中のセンサーを見せながら説明をしてくれました。 「超冷のセンサーを検出器として使うので、光を取りこむための窓をあけなければいけない。例えるなら、冷蔵庫を開けたまま中身を冷やさなければいけないようなもの。これが僕たちのセンサー開発の大部分を占めるチャレンジなんです」という言葉が印象的でした。
実験施設見学の2つ目は茨城県東海村にあるJ-PARC。ニュートリノ前置検出器を見学しました。ここでは、J-PARCで作られたニュートリノを岐阜県の神岡にあるスーパーカミオカンデに打ち込み、宇宙初期には粒子と同じだけ存在したはずの反粒子が消えた謎に迫る研究を行っています。アーティストから「研究者自身が実験装置の構造を考えたり、作ったりしていることに驚いた」「配線がすごい」という感想をいただきました。
未解明な宇宙の謎を解く鍵となる新しい物理現象を探すBelle II実験。 Belle II測定器の全体の大きさは、幅約8m、高さ約8m、重さ約1,400トンと圧巻のスケール!その迫力を間近で体感していただきました。
2人の研究者とアーティストとの交流を行いました。「クリエイティビティには未知が必要」「(研究者が)『(理論)計算がどこに向かうのか分からない』と言っていたが美術もどこに向かっているかわからない」などというキーワードが飛び出しました。また、これから見学する実験施設についても紹介しました。
機構長あいさつとKEK AiR2025の説明、つくば市長ビデオメッセージのあと片岡氏・岩竹氏のトークがスタート。元村KEK理事がモデレーターとなり、アートとサイエンスの交差点について議論しました。その後の交流会では、ワインとチーズを片手に研究者とアーティストが語り合いました。
記事はこちら
Contact us
〒305-0801 茨城県つくば市大穂1-1
広報室
029-879-6047
proffice@kek.jp