リニアコライダー (ILC計画)

加速器の開発研究

ILCのイメージ図

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ILC(全長約33km)のイメージ図

高エネルギー物理学研究者はより高いエネルギーを目指して実験を進めようとしています。ところが、現在衝突型加速器の主流である円形加速器を使って粒子を高いエネルギーまで加速すると、その粒子は光を放出しエネルギーを失ってしまいます。しかも高いエネルギーになるほど失うエネルギーは大きくなります。これは、あたかも、せっかくためたエネルギーを遠心力によってまき散らしてしまうような現象です(このように放出される光は、現在多くの応用があり加速器の活用としては重要な分野ですが、高エネルギー物理学にとっては邪魔者です)。それでは、高いエネルギーでの実験はあきらめるしかないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。加速器の形を円形から直線の形へ変えればよいのです。この考えに従って計画されている線形加速器が衝突型線形加速器(リニアコライダー)です。

2004年夏、世界の高エネルギー物理学研究者・加速器研究者は、超伝導技術に基づいたリニアーコライダーを国際協力で建設することについて合意しました。これは“International Linear Collider(ILC)”と呼ばれています。このILC計画では、約1TeVまでのリニアーコライダーをつくり、トップクォークの対生成、ヒッグス粒子、超対称性粒子などの発見をめざしており、こうした成果の上に立ち質量の起源、力の大統一、さらには宇宙創成の謎を突きとめることができると期待されています。

上記国際的合意を受け、日本の高エネルギー物理学研究者・加速器研究者はこれまで推進してきた、GLC計画に基づく活動を発展的に解消し、KEKを基地としてILC建設に向けて大きな役割を果たしてゆく活動に着手することになりました。


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