宇宙の謎の解明
稼働中の QUIET 望遠鏡。
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私たちの暮らすこの宇宙はどのように始まったのでしょうか。さまざまな観測事実から、この宇宙は今からおよそ137億年前に誕生したと考えられています。誕生当時の宇宙は今よりもずっと高温・高密度ないわば火の玉でした。これがよく知られた「ビッグバン宇宙」です。
では、そのビッグバン宇宙をもたらしたものは何でしょうか。この根源的な問題に多くの研究者が挑戦しています。現在の有力な仮説のひとつが「インフレーション理論」です。インフレーション理論によれば、宇宙は「生まれてからビッグバン宇宙が作られる前まで」というごくわずかの時間にとてつもない大膨張(インフレーション)を起こしました。これは、1兆分の1秒の、その1兆分の1の、さらにまた1兆分の1という想像を絶する短い時間に、アメーバが銀河になるほどの非常に激しい膨張に相当します。その結果、ビッグバン宇宙が生まれました。
では本当にインフレーションはあったのでしょうか。その答は宇宙マイクロ波背景放射(CMB)にあります。CMBとは、宇宙のあらゆる方角から一様に降り注ぐ電磁波のことです。そして、もしもインフレーションが実際にあったならば、CMBにその痕跡が特殊な模様として刻まれていると考えられています。そこでCMB観測実験グループでは、CMBを精密に観測してインフレーションの有無やその規模を決定する実験を行っています。現在はQUIET実験やPolarBear実験に参加し、地上の望遠鏡を使ってCMBを観測することでインフレーションの謎に迫る実験を行っています。また、人工衛星にCMB観測装置を塔載してさらに精密な研究を行う将来計画を基に、新しいCMB検出素子の開発や衛星に塔載する各種の実験装置の開発も行っています。
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→CMB観測実験のwebページ (研究者向け情報も含まれています)