理論

宇宙の謎の解明

人類は古くから自然界で起こる様々な現象を観察して、そこに法則を見いだしたり、原理を確立しようとつとめてきました。 その結果、私たちは、宇宙や物質の起源や構造について多くのことを知ることができるようになりました。
このような努力は現在でも続けられています。素粒子や原子核の理論的な研究によって、自然界の根底に潜む秘密が解き明かされています。

KEKでは素粒子理論をさまざまな角度から研究しています。それらは、実験と密接に協力して素粒子理論の「標準模型」をさらに拡張しようとする現象論の研究から、時空の理論(一般相対論)と標準模型を統一的に理解しようとする超弦理論の研究まで多岐にわたっています。超弦理論・量子重力から素粒子論の基盤となる場の理論・ゲージ理論・量子力学まで、その本質的課題に関する研究を推進しています。

また、 素粒子とその相互作用を 超大型計算機を用いた計算物理学の立場から研究しています。
格子上の数値シミュレーションによるQCD(強い相互作用に関する中心的な理論)の非摂動論的研究、加速器実験のデータの解析を目的とした素粒子反応の理論的シミュレーションを行っています。

さらに、ハドロン・原子核の研究を行なっています。QCDによるハドロン間相互作用や 高エネルギーハドロン散乱の物理、核子と原子核の構造関数、クオーク・ハドロン物質、 ストレンジネスを持つ原子核など、幅広い研究を進めています。

加えて、宇宙を直接の対象とする研究も進めており、重力・素粒子・原子核に関する基礎理論に基づいて、新たな天体現象や宇宙の起源と進化の謎を追求しています。ブラックホール、宇宙線、インフレーション宇宙論などを通して最先端の基礎理論を検証し、さらに未発見の宇宙現象を予言することが目標です。

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