全国津々浦々にKEKの研究や活動を紹介する出前授業プロジェクト「KEKキャラバン」がたちあがりました。活動の具体的な柱は各機構職員の母校に展開し、後輩である中・高生にKEKの魅力を伝えることです。その目標の達成のために、主な対象である中・高生の現状を把握することが、高校を卒業して久しい職員にとって第一歩と考えます。
そこでこのたび、名城大学総合数理教育センター長の川勝 博教授にコロキウムをお願いすることとなりました。川勝先生は愛知県の高校で長年物理の教鞭を執られ、その授業記録ノートは、「川勝先生の物理授業」(海鳴社)という3冊の本(1997,98年)になり、英語版・中国語版でも発売されています。また1988年に仲間とともに出された「いきいき物理わくわく実験」(新生出版・日本標準再販)はベストセラーとなり、楽しい実験ブームをまきおこしました。
その後20年ほど、PSSC以後の物理教育の流れを、学ぶ側の視点に変えた、ということで、世界各国で毎年招待講演を続け、ハンガリー物理学会より名誉会員、また物理教育のノーベル賞といわれる、物理教育エトーベーエッシュ・ローランドメダルをアジア人としてはじめて受賞されています。その後、IUPAPの物理教育部門の国際委員(ICPE)や、日本学術会議の連携会員を務め、また香川大学教育学部の教授となり、10年ほど四国で研究生活を続けておられましたが、現在では、出身地の名古屋に戻られて、小中高校大学を貫く、中部圏私学唯一の総合的な数理教育研究教育機関のセンター長を務められ、総合的な数理教育研究支援組織として、地域貢献に、国際交流に、地域教育研究支援に多面的な活動を行っておられます。
本機構コロキウムでは、KEK職員がKEKキャラバンプロジェクトで中・高生向けに話をするときのコツ、心構え、知っておくべき事、考えておくべき事をお話いただきます。
|