日時: |
2014-02-27 16:30 - 17:00 |
場所: |
4号館1階セミナーホール・東海1号館317室(中継) |
会議名: |
物構研コロキウム「中性子スピンエコー法を用いたダイナミクス研究」 |
連絡先: |
伊藤晋一教授 (5616) |
講演者: |
遠藤 仁 氏 (KEK 物質構造科学研究所) |
アブストラクト: |
中性子非弾性散乱の一手法である中性子スピンエコー(Neutron Spin Echo; NSE)法では、中性子スピンという自由度を用いる事で、波長分解能とエネルギー分解能を分離することが可能となり、その結果、ビーム強度を損なう事無く、エネルギー分解能を上げる事ができる。実際、中性子散乱において、NSEは最高のエネルギー分解能を達成している。
更に、通常の非弾性散乱における観測値は散乱ベクトルQと波数ωの関数であるS(Q, ω)であるが、NSEにおいては、散乱ベクトルQと時間tの関数である中間相関関数S(Q, t)が直接得られる。従って、NSEは主に物質の拡散や緩和現象等のスローダイナミクス研究に強みを発揮する。
研究例として、高分子・タンパク質のダイナミクスについて説明する。また、最近ではNSEを用いた磁気構造のスローダイナミクス研究が注目されているが、現在J-PARC/MLFのBL06に建設中の「共鳴型中性子スピンエコー分光装置VIN-ROSE」を用いて行う予定の磁性体のダイナミクス研究について概説する。
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