物構研談話会

日時: 2013-11-05 16:00 - 17:00
場所: 4号館2階輪講室1/(TV会議)東海1号館413室
会議名: 物構研談話会(13-12)多成分磁気構造を持つオリビン型マンガン酸化物Mn2GeO4におけるマルチフェロイック特性
連絡先: 中尾裕則 6025
講演者: 本田孝志氏  (大阪大学大学院基礎工学研究科)
アブストラクト: オリビン型遷移金属酸化物A2BO4(Pnma; 斜方晶)は、Aサイトに配置した遷移金属からなる頂点共有した三角形がb軸方向に連なる1次元鎖的な構造を有している。近年我々は、オリビン型マンガン酸化物Mn2GeO4が逐次的な磁気転移(TN1=47K、TN2=17K、TN3=5.5K)を示し、さらにTN3以下の最低温相において弱強磁性かつ強誘電性(すなわちマルチフェロイック特性)を示すことを発見した。このマルチフェロイック特性の起源解明のため中性子線回折実験を行った結果、最低温相における磁気構造がらせん成分及び強磁性成分を共に包含するものであることが明らかとなり、この多成分磁気構造 が同物質におけるマルチフェロイック特性の起源に関連していることが示唆されている。本セミナーでは、これらのMn2GeO4におけるマルチフェロイック特性および関連する磁気構造に関して紹介する。また、最近行った偏極中性子線散乱実験、高圧下での中性子線散乱実験及び物性測定の結果 をもとに、同物質におけるマルチフェロイッ
ク特性に対する電場磁場冷却効果及び圧力印加効果についても議論する。

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