物構研セミナー

日時: 2001-10-26 15:30 - 16:30
場所: PF研究棟2階会議室
会議名: 放射光で見た分子性伝導体DCNQI2Cu系におけるπ−d相互作用による特異な相転移
連絡先: keiichiro.nasukek.jp
講演者: 澤 博氏  (物質科学第二研究系)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 分子性伝導体DCNQI2Cu系は一次元的な有機分子の配列構造を持つにもかかわ らず低温まで金属状態を保つ系を含む、置換基の種類により多彩な物性を示すことで 精力的に研究されてきた。これらの物性発現の鍵となるのはd軌道のエネルギー・レ ベルがフェルミ面付近に位置しCuの価数が遥動状態にあることである。例えば金属 状態を示す系はある圧力領域で温度低下とともに突然電気抵抗が7桁以上跳ね上がる 絶縁化を生じ、さらに温度を下げると再び金属状態にもどるいわゆるリエントラント 転移を生じる。本講演では圧力がどのような物性パラメータを支配しているのか、さ らに高圧における次元クロス・オーバーによると考えられる、より複雑な高圧金属相 の発現などについて構造物性の立場から述べる。

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