アブストラクト: |
要 旨: 有機伝導体λ-(BETS)2FeCl4は2次元BETS分子配列とFeCl4分子配列が交互に
積み重なった構造を持つ2次元電子系である。外部磁場がないときには8KでFeスピン
(S=5/2)は反強磁性秩序を示し、それと同時に金属状態から絶縁状態へと転移する。
この系において伝導面に正確に平行に磁場をかけると、絶縁状態から金属状態へと
転移(約10.5T)した後、17T付近で抵抗は急激に減少し超伝導状態へと転移する。
この磁場誘起超伝導転移と現在までに報告されている磁場誘起超伝導転移との相違点
や、Feを非磁性イオンであるGaへと置換することによる磁気相図の変化を議論する。
|