物構研セミナー

日時: 2005-06-24 13:30 - 14:30
場所: 物構研 4号館2F輪講室1
会議名: 磁性/非磁性積層膜の間接交換結合と共鳴X線磁気分光散乱
講演者: 橋爪 弘雄氏  (KEK-PF共同研究員(前 奈良先端科学技術大学院大学 教授))
講演言語: 日本語
URL: http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/
アブストラクト: 間接交換結合は数ナノメーターの非磁性層を介して強磁性層の磁気モーメントが 相互作用する現象である。巨大磁気抵抗効果とコインの表裏の関係にあり、 最近発展が目覚しいスピントロニクスは延長線上にある。非磁性層の遍歴電子のスピン 分極に注目した量子干渉理論が90年代半ばに提案され、結合振動の機構、周期や結合 エネルギーを決める因子が理解されるようになった。しかし、非磁性金属のスピン分極 を実験で直接プローブすることはできなかった。最近、第3世代放射光光源を利用した 硬X線共鳴磁気分光・散乱技術が発展し、ブレーク・スルーがもたらされた。 講演では間接交換結合、量子干渉理論の概略を説明し、CuおよびCu合金を非磁性層に 用いたCo/Cu, Co/CuNi, Gd/Cuなどの多層膜からの測定されたCu K端XMCD、RXMS (共鳴X線磁気散乱)、磁気抵抗比や結合エネルギーなどのマクロ磁性との相関、量子 干渉モデルによる解析について最近の研究成果を紹介する。Cu XMCDスペクトルの特徴 と多重散乱計算にも触れる。

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