物構研セミナー

日時: 2003-11-20 15:00 - 16:00
場所: 放射光研究棟2階会議室
会議名: 物構研セミナー「リンダウで開かれるノ−ベル賞授賞者の会」
講演者: 井口道生氏  (アルゴンヌ国立研究所名)
講演言語: 日本語
URL: http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/
アブストラクト: ドイツの南西の端にあってスイスとオ−ストリアにも接する、ボ−デンゼ−(Bodensee)という湖がある。英語ではLake Constanceという。その沿岸は風景が奇麗で、気候が穏和なことで著名な観光地である。この湖の東岸に近い島にあるリンダウ(Lindau)で、毎年7月の最初の週に、表記の会が開かれている。テーマは物理、化学、生理学または医学というノ−ベルの遺言で指定された三つの分野を次々に巡る。第53回の2003年の会のテ−マは生理学または医学であった。2004年のテ−マは物理となっている。この独特の会の目的は、十数名のノ−ベル賞受賞者に500人程度の学生との交流、教育をして頂くことである。 ここでいう「学生」は、学部または大学院の学生のほか、助手、ポストドックを含む。受賞者による30分の講演のほか、学生との自由討論、それにいろいろな社交の機会もある。その一つは会の終わりの金曜日に、参加者全員が船で、湖の西側のマイナウ(Mainau)という島へ行く遠足である。この島は美しい城と庭園があり、スヱ−デン王室のベルナドット家の所有だったが、今は財団組織が管理しており、ノ−ベル賞受賞者の会の運営もこの財団の仕事である。そもそもこの会は当主のレナルト・ベルナドッテ伯爵(Count Lennart Bernadotte)の発案によって、戦後ドイツのの文化的な荒廃からの復興のために始まったけれども、今は主催者が国際化に努めたので、ヨ−ロッパ諸国を始め、アメリカ、インド、中国などからの参加もほぼ定常的になっている。2003年には、始めて文部科学省の正式な援助が出て、20名の日本人学生が参加した。参加した学生に、強い印象と感銘を与えることは当然である。私は幸いにも主催者の一人と親しいので、すでに7回ゲストとして出席して、優れた学者から多くを学んだ。  この会の詳細についてはwww.lindau-nobel.de、マイナウについてはwww.mainau.deというweb siteを見ればよい。なお、ノ−ベル賞の歴史、授賞者、その業績などについては、www.nobel.seにあるe-Nobel Museumをご覧になることを勧める。

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