日時: |
2011-02-25 13:30 - 14:30 |
場所: |
PF研究棟2階会議室 |
会議名: |
鏡面X線反射曲線および結晶トランケーションロッドの時分割測定法の開発 |
連絡先: |
kenji.ito kek.jp |
講演者: |
松下正 (KEK) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
薄膜や物質表面・界面において外的刺激によって起こされる構造変化の実時間追跡を可
能するために、(1) 鏡面X線反射曲線、および(2)結晶トランケーションロッドを
サンプルも検出器も回転させることなくサブ秒〜ミリ秒の分解能で時分割測定できる方法
の開発を行なっている。
鏡面X線反射曲線については彎曲−捻り(bent-twisted)結晶を用いて集束方向により波
長lと視斜角q が連続的に変化している集束X線を作成し、それが試料により反射されたの
ちの強度分布を2次元ピクセルアレイ検出器にて測定し入射強度に対し規格化することに
より反射曲線プロファイル全体(広いq=4p sinq/l にわたって)を得ることができる。十分
な測定時間(~100-1000秒)では反射率10-10 台まで、10msecでは10-6台までの測定ができる
ことを確かめた。光応答高分子LB膜のUV光照射による構造変化、球状タンパクの水面への吸着と
unfolding過程の研究への応用を目指した予備的実験も開始した。
また、結晶トランケーションロッド曲線に関しては、円筒に曲げた結晶により得られる集束方向とX線波長
(エネルギー)が1:1の対応をしている集束ビームを作成し lの変化をq の変化とすることにより、GaAs基板
上のGaAs/AlAs超格子からのブラッグ反射CTR/超格子反射曲線プロファイルを測定している。十分な測
定時間(〜1000秒)では反射率10-10 台、1秒の測定時間では10-8台までのプロファイルが測定できてい
る。応用実験としてフォトクロミック結晶へのUV光照射による構造変化の実時間追跡を試み始めた。
現段階では手法の開発の途中であるが、応用研究にはいってゆける手前まで進展してきており、より多く
の方々に興味をもってもらえることを期待している。
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