KEKで開催される研究会等

日時: 2003-07-22 13:30 - 15:00
場所: KEK 4号館4階セミナー室
会議名: 短寿命不安定核の内部構造を電子散乱で探る
連絡先: hiro.kawakamikek.jp
講演者: 須田利美氏  (理化学研究所)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 原子核構造を研究する上で、電子散乱は非常に有力な実験方法の一つである。電子は電磁相互作用を通じて原子核構造を探るため、内部構造を正確且つ精密に調べることができる。我々は、電子弾性散乱実験によって短寿命不安定核の電荷分布を精密に決定することを目指している。   短寿命不安定核との電子散乱実験を実現するため、我々は新しい電子散乱実験装置を提案している。この装置では、放射光リングでビームの短寿命化やビーム不安定性を引き起こすことで知られている電子ビームによるイオン捕獲現象を積極的に利用する。   この実験装置は、不安定核生成用イオン源と電子蓄積リングからなる。外部イオン源からイオンを電子リングに入射し、イオン捕獲現象を利用して電子ビームに捕獲させる。さらに電子ビーム軸上に電極を配置することで、不安定核イオンを3次元的に閉じこめる。このようにして電子ビーム上に短寿命不安定核の浮遊標的 (SCRIT: Self-Confining RI Target)を生成し、電子散乱実験を行おうとするアイデアである。   セミナーでは、まず電子散乱により明らかにされる原子核の内部構造について議論し、次に我々が提案している新しい電子散乱実験装置を紹介する。そして、このアイデアを検証するため、現在我々が進めている既存の電子蓄積リングを利用した実験計画について紹介したい。

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