アブストラクト: |
高速回転するメカニカル・シャッターを利用して、蓄積リング中の1個の電子バンチから得られる放射光を切り出す試みは1980年代から行なわれてきた(1)。近年ESRFとJuelich研究センターが共同開発したメカニカル・シャッター(X線パルス・セレクター)は蓄積リングのRF信号を基準クロックとして回転し、バンチ間隔が数百ナノ秒以上あいている条件で、約1kHzに分周されたX線パルス列を安定に取り出すことができる(2)。セミナーでは、昨年Spring-8に導入したX線パルス・セレクターの動作テストの結果と、それを用いたサブ・ナノ秒分解X線回折実験の現状について紹介する。
(1) LeGrand et al. (1989) Nucl. Instr. and Meth. A275, 442.
(2) Wulff et al. (1997) Nucl. Instr. and Meth. A398, 69.
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